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ちょっと拗ねてるスザク。 結局、大掛かりな人事は即位後となった。 新王に対して、不満を持っていた臣たちも、王の立ち居振る舞いや考え方、国や民の未来まで視野にいれた政務を目のあたりにして、ストライキを早々に取りやめ仕事に勤しむ様になった。 足掻きはやめろ、と事前に言われたが、誠心誠意をもってする仕事は足掻きではない。 なんとなく、端の方から始まった動きが、すでに大きな動きとなってルルーシュを支える物になっている。 古参の侍従や女官達から最初煙たがられていたロイド達であったが、全員の王に対する忠誠と全身全霊をかけて王を守ろうとする心は言わずとも判ってくるもので、今では誰も中傷、誹謗しない。それよりも、王に対しての忠告などを自分たちから聞きにいくようになった。 「結局、ルルーシュが人気なんだよね」 頬杖をついて、暇そうにしているのはスザクである。 王の補助という大事な仕事がこの麒麟にはあるが、政務に関してはロイドや太師となった爺様の方が詳しい。しかも臣達の信頼をその手にしたルルーシュの周りには更なるスペシャリストが揃っているわけで、ようするに台輔の出番は無い。 「なんだ、お前役立たずという訳か」 容赦ないC.C.の言葉にさらにスザクは剥れる。 「政治はわからないんだよ・・・」 机には爺様が置いていった本が山積みになっている。勉強にと置かれた物だが、一冊目の半分もいかないうちにスザクはお手上げ状態になった。 C.C.もパラパラと捲っていたが、難しい言葉の羅列に笑いながらバタンと本を閉じる。 「成程、無理だな」 「話を聞く分には分かるんだけど、じゃあそれに意見を言えるかって言われると出ないし」 「分からなくても、王の隣にいればいいじゃないか」 スザクの膝で寛いでいたアーサーがC.C.の意見に最もだと言う様に耳を立てる。 「だって・・・・」 「何だ?」 「ルルーシュの傍に行くと、みんな睨むんだよ!」 「・・・・お前が無理をさせるからだろう?」 「それもあるけど・・・って違う!侍従とかも睨むんだよ!みんなルルーシュの傍にいたいから!」 ルルーシュがとにかく人気なのだ。最近では棘々した雰囲気もなくなり、穏やかだ。王など、めったに会わないと思っていたこの城の臣達はルルーシュが自由に堅苦しくなく歩き回ることに最初は驚いた。 各役所を突然訪問しては、仕事振りを眺め助言し出来映えを誉めて微笑む。その姿を更に拝もうと皆仕事に精を出す。女官にまで声を掛けて微笑むのだから、みな競い合って仕事をするようになった。 最もルルーシュにしてみれば、役所の事も把握しておきたいからという理由で回っているだけだが。それにロイドが「少し声を掛けてみるといいですよ」と助言を付け加えたことなどは皆知る由も無い。 しかし、それによって少しでもこちらを見て欲しいという輩が増え、城の中が活気づいているのだからそれはそれで良いのであるが。 スザクにとっては全く面白くない。 ルルーシュがあんなに微笑むのも面白くないし、王の隣は自分の物なのに色んな人が入れ替わり立ち代り隣に立つのが嫌だ。 「ようするに、ヤキモチを焼いているのだな。お前は」 麒麟が、むうと頬を膨らませている所をみると自覚はあるようだ。 「それならば、常に隣に立てるように全て分かるようにすればいいじゃないか」 「C.C.、僕にそれ出来ると思うの?」 「無理だな」 乳母の冷たい一言にスザクはがっくりする。 「おい、スザク」 扉を開けて入ってきたのはルルーシュ。 「ルルーシュ!!」 王を見ただけで思いっきり尻尾を振っている・・・ような気がする。 私が育てたのは麒麟ではなく、犬だったか。C.C.の考えを知らずスザクはルルーシュに走り寄る。 「お前どうして隣にいないんだ?」 「えっ?いや、政治は分からないし邪魔かと思って」 「別に邪魔ではないし、政務は詳しい奴にやらせればいい。お前はオレの隣にいるんじゃなかったのか?」 アーサーとC.C.は心で大きな溜息を落とす。王よ、そいつを甘やかすな。 「いいの?いいの?」 更にぶんぶんと尻尾を振っているようだ。ワンと鳴いてもおかしくない。 「いいに決まっているだろう。来い」 ぱたんと閉まった扉を見ながら、C.C.はアーサーに聞く。 「私の育て方が悪かったのか?犬のようだ」 アーサーは大きくあくびをして、返事をした。 「大丈夫、あいつは麒麟だ」 |
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