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即位式。 宮殿前広場に広がる民、民、民。 みな待ち焦がれていた新しい王。新しい王を皆に披露する大事な儀式だ。 玉座の横に柔らかな笑みをたたえた少年が立っているのが見える。 あの場所にいるのだからあの少年が自国の麒麟に間違いない。 台輔があれだけ晴れ晴れとした姿を見せているのだからと、新王への期待が膨らむ。 広場を見渡しながら、スザクは笑みがこぼれるのを止められない。 もちろん、やっと自分の王を見つけ、皆に披露できるのが一番嬉しいことではあるが・・・。 控えの間でのあの騒動を思い出すと肩が震えるのを止められない。 ルルーシュが用意された着物を見て、 「絶対に着ない!!!!」 と騒いだのだ。 薄い上着や、柔らかな色合いで揃えられたそれは・・・どこをどう見ても女性向きで。 「ミレイ!!」 「はいはい、主上何でしょう?」 「これは、何だ?」 「主上のお召し物ですが?」 それが、何か。 「・・・・・女物のような気がするのはオレだけか?」 「いいえ。間違いなく女性用です」 「ミレイ!」 「だって、せっかくの儀式なのよ?綺麗なルルーシュを見せたいじゃないの!」 女官達が一様に頷く。 「ほら、台輔とお揃いで揃えてみたの!」 スザクはお腹を抱えて大笑いしている。本来なら初の国事であるので緊張感が漂うものなのだろうが、この場にはそんな物は全く存在せず、厳粛な雰囲気も無い。 臣達も下を向いて笑いを堪えている。 「絶対に嫌だ。別の物を用意しろ。普段着でも構わない!」 「ちっ、仕方ない。シャーリーあっちの持ってきて」 「だから言ったじゃないですか。ルル様はそれは着ないって・・・」 ぶつぶつと文句を言いながらシャーリーが持って来た衣装は、すばらしい出来映えだった。 「へえ、すごいな」 思わずルルーシュが口にするくらい手の込んだ刺繍が施してあり、決して華美ではないのに、映える。 「ミレイ、本当はこちらが用意したものなんだろう?」 「まあね。でも即位式だから仕方ないってあっちも着てくれるかなあっと・・・」 「着るかっ!」 再び笑いに包まれる。多分ルルーシュもミレイも分かってやっているのだろう。緊張していた空気が和やかなものになり、肩に力の入りすぎていた者達やガチガチに緊張していた歌姫も普段の顔になる。 外の歓声が中まで聞こえてくる。 「では、皆宜しく頼む」 「主上、台輔おめでとうございます」 ロイドの声が合図となり、皆一斉に平伏した。新しい王と台輔に。 のびやかな、美しい歌声が響き渡る。 待ちかねた民の前、壇上に王が現れる。 ルルーシュが姿を現した。その姿にどよめきが起きる。細くとも凜とした立ち姿。 しかし頼りなさは微塵も感じられない。圧倒的なカリスマ性。 玉座に座ったルルーシュの前にスザクが進み、頭を下げ、額をルルーシュの足につけた。 民の歓声は更に大きくなる。 スザクはそっと顔を上げるとルルーシュを見る。ルルーシュもスザクを見る。 お互いの目が合い、微笑み返す。 「新王、即位」 抜けるような青空と光のなかで、大きく旗が翻った。 |
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