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help リーダーに追加 RSS 麒麟と王 71

<<   作成日時 : 2008/12/01 08:54   >>

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即位式。





宮殿前広場に広がる民、民、民。
みな待ち焦がれていた新しい王。新しい王を皆に披露する大事な儀式だ。
玉座の横に柔らかな笑みをたたえた少年が立っているのが見える。
あの場所にいるのだからあの少年が自国の麒麟に間違いない。
台輔があれだけ晴れ晴れとした姿を見せているのだからと、新王への期待が膨らむ。

広場を見渡しながら、スザクは笑みがこぼれるのを止められない。
もちろん、やっと自分の王を見つけ、皆に披露できるのが一番嬉しいことではあるが・・・。
控えの間でのあの騒動を思い出すと肩が震えるのを止められない。

ルルーシュが用意された着物を見て、
「絶対に着ない!!!!」
と騒いだのだ。
薄い上着や、柔らかな色合いで揃えられたそれは・・・どこをどう見ても女性向きで。
「ミレイ!!」
「はいはい、主上何でしょう?」
「これは、何だ?」
「主上のお召し物ですが?」
それが、何か。
「・・・・・女物のような気がするのはオレだけか?」
「いいえ。間違いなく女性用です」
「ミレイ!」
「だって、せっかくの儀式なのよ?綺麗なルルーシュを見せたいじゃないの!」
女官達が一様に頷く。
「ほら、台輔とお揃いで揃えてみたの!」
スザクはお腹を抱えて大笑いしている。本来なら初の国事であるので緊張感が漂うものなのだろうが、この場にはそんな物は全く存在せず、厳粛な雰囲気も無い。
臣達も下を向いて笑いを堪えている。
「絶対に嫌だ。別の物を用意しろ。普段着でも構わない!」
「ちっ、仕方ない。シャーリーあっちの持ってきて」
「だから言ったじゃないですか。ルル様はそれは着ないって・・・」
ぶつぶつと文句を言いながらシャーリーが持って来た衣装は、すばらしい出来映えだった。
「へえ、すごいな」
思わずルルーシュが口にするくらい手の込んだ刺繍が施してあり、決して華美ではないのに、映える。
「ミレイ、本当はこちらが用意したものなんだろう?」
「まあね。でも即位式だから仕方ないってあっちも着てくれるかなあっと・・・」
「着るかっ!」
再び笑いに包まれる。多分ルルーシュもミレイも分かってやっているのだろう。緊張していた空気が和やかなものになり、肩に力の入りすぎていた者達やガチガチに緊張していた歌姫も普段の顔になる。
外の歓声が中まで聞こえてくる。

「では、皆宜しく頼む」

「主上、台輔おめでとうございます」
ロイドの声が合図となり、皆一斉に平伏した。新しい王と台輔に。


のびやかな、美しい歌声が響き渡る。


待ちかねた民の前、壇上に王が現れる。
ルルーシュが姿を現した。その姿にどよめきが起きる。細くとも凜とした立ち姿。
しかし頼りなさは微塵も感じられない。圧倒的なカリスマ性。
玉座に座ったルルーシュの前にスザクが進み、頭を下げ、額をルルーシュの足につけた。
民の歓声は更に大きくなる。
スザクはそっと顔を上げるとルルーシュを見る。ルルーシュもスザクを見る。
お互いの目が合い、微笑み返す。

「新王、即位」

抜けるような青空と光のなかで、大きく旗が翻った。


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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして、彼方と申します。「麒麟と王」を読ませて頂きました。読む前にも、題名だけでワクワクしながら内容を妄想させて頂きましたよ。いや、十二国記をきちんと知っているかと言われるともにょるんですが(苦笑)。最初はひ弱なルルが麒麟だと思っていました。で、スザクが二回目の主。ちなみに、一回目はゲンブ、放蕩三昧(ルルが政治に長けすぎていた為の無力感とやるせなさによるもの(笑))で失道し、息子のスザクに殺されたり。一応、混乱を避けるためにゲンブは自殺したことに。ルルは新しい王にスザクを望むが、スザクは王を殺した僕に資格はないと断り、野に下る(17才)。以後、なんとか大切な(?)スザクの意思を尊重しようとルルは十年間他の王を探し回るが見つからずに国は荒れ、ついにキレる。最後は、ルルの迫力勝ちでぽかんとする27才のスザクを引きずって城に戻るが、一般人にとっては民を見捨てて失道したあげく自殺した王の息子、官吏にとっては勝手に王を殺したあげく国を見捨てて出奔した王候補で、第三者からの評価は最悪。ただ、来るもの拒まず精神で旅の間の女性との経験は豊富であり、女官の受けはすこぶる良い(笑)。藤堂さんは武人、桐原が事務系、だったりするのでしょうか。ロイドとセシルはデフォルトでいそうですね。ただ、ナナリーをどうしよう。王を探し回るルルが完璧に目を光らせることは出来ず、十年の間に汚職や裏金が横行していることもあり、暫くは討伐に忙しくなったり。ひとを斬って、ナーバスになったスザクに抱きついて慰め、貧血を起こすルルとかを妄想していました。
彼方
2009/10/07 21:04
しかし、実際に読んでみたら、私の妄想なんかよりはるかに面白かったです。ルルがひ弱でスザクも弱体化しているせいか、展開がどうなるかわからないスリルがありました。確かに、スザクを王にしてしまうと最強になり、他キャラが活躍出来ませんよね。きちんと他のキャラにスポットを当てつつ、スザルルもしっかりこなす文章力に惚れました。ルルのひたすら他者(身内)優先なところとか、確かになぁと頷いていましたよ。スザクはこれからも大変ですね、きっと。他の作品も読むのが楽しみです。またお邪魔させて下さいませ。

彼方
2009/10/07 21:08
彼方さま、はじめまして。コメント有難うございます。

いやはや、凄いです。そうか、そんな展開有りだったかと感心しきりです。

現在ならそんな妄想も出来ますが、1年前はとにかくルルーシュとスザクを甘やかしたい、2人を皆が暖かく見守っている世界にしたい一心でした。本編が余りに哀しすぎたので。
これを書き上げてようやく色々なパラレルが書けるようになりました。
でも基本はやはり2人に優しい世界ですけど。

彼方さまのお話も凄く面白いです。萌えの参考にさせていただきます(笑)。
コメント有難うございました。
また宜しくお願いいたします。
薄荷
2009/10/07 21:17

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