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help リーダーに追加 RSS 迷子の僕たち  8 (麒麟と王番外)

<<   作成日時 : 2009/01/08 08:05   >>

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スザクVer.





04.向日葵だけだった(太陽のお題より) お題配布元二の舞姫さま


アーニャは妖魔の豹だ。そして生まれつき色素が無い。いわゆるアルビノだ。
本来ならば茶色い体毛に覆われ、こげ茶や黒などの豹紋が入り黄海の岩陰に身を隠すはずだが、アーニャは真っ白い毛に覆われて目立ち過ぎた。僅かにある豹紋も淡いピンクで眼も赤い。
仲間から除け者にされ、一匹で生きていくしかなかった。
目立たぬ様にと体に砂や泥を纏い、白い毛並を隠した。隠しても隠しても白い。
白い体は夜目にも目立つ。狙われ易い。
木の陰に身を寄せて、眠れぬ夜を幾晩も過ごした。
そうやって気が遠くなるような年月をアーニャは一人で耐えてきた。

「おいスザク!何処行くんだよ!」
「何か白いものが見えたんだ。ほらあそこ!」
ジノはスザクの指差す方を見る。木立ちの間から確かに見える。
「ジノ何だと思う?」
ジノはスザクを見てニヤッと笑う。
「確認しに行こうぜ!」
2人はゆっくり、ゆっくり近付く。
「スザクはここまで。ちょっと待て」
コーネリアとユーフェミアからジノは何度も言われている。とにかくスザクの身だけは守れと。危険に晒すなと。
言われなくても、今のジノはスザクを守る事が最も重要だ。それが契約を交わした使令だ。
ゆっくり近付いたジノは、それが妖魔の豹であることに気付く。それは白くて、しかも。
「怪我してるよ!」
「スザク!お前な!」
ジノの言葉を無視してスザクは豹に近付く。豹は唸り声を上げて威嚇するが弱々しく、立ち上がる事も出来ないようだ。白い毛に赤い血が生々しい。ふらりとするスザクをジノが支える。
「ほれ見ろ。だから下がってろって言ったんだ」
「ごめん…」
麒麟は総じて血に弱い。スザクはそれを我慢してでも豹に近付きたかった。赤い目が泣きそうに見えたんだ。
「怖くないよ。何もしないよ」

ジノは溜息をつく。まだ使令になって日も浅い。短い付き合いだが、この麒麟が頑固で好奇心旺盛で、何にでも突進していくのはわかった。目を離すと何処へでも行ってしまう。そして、やさしい。
「お前が居てくれるようになって助かる」
アーサーの言葉の意味がようやく分かり始めた。
大体、こいつはそのうち王を選んで国に下りるんだろ?台輔と呼ばれて王と一緒に国の要になるんだろ?
「・・・・大丈夫なのか?」

そんな使令の思惑など微塵も知らず、スザクは目の前の白い豹の怪我が気になって仕方ない。
自分の上着の片袖を引きちぎると、細く裂いて豹の足に巻きつける。巻きながら、ずっと言葉をかける。
「ね、怖くないでしょ?痛いよね。でも白い豹なんて初めて見たなあ。綺麗だねえ」
「スザクあのなあ・・・お前麒麟だよ?血に酔ってまた蓬廬宮で寝込んでみろ。俺が怒られるだろうが!」
「だって、可哀想だよ!こんなにきれいな白なのに・・・」
青い顔をしながら、それでも必死に手当てをするスザクの顔を豹はじっと見ていた。

案の定、スザクは蓬廬宮に戻ると寝込んだ。熱まで出した。ジノは必死で説明をして、なんとかコーネリア達から叱られずにすんだ。女仙達は少し冷たかったが。
ようやくスザクが起き上がれるようになった頃、女仙の一人が飛び込んできた。
「あの!白い妖魔が門のところに!スザク様のお召し物の端を咥えているんですけど!」

豹はスザクを見上げた。スザクと目を合わせる。
あたし、アーニャ。スザクのそばにいたいの。
「僕の使令になるってことなの?」
そう。
「折伏していいの?」
うん。
皆が見守る中、スザクとアーニャは目を合わせる。外側からは想像もつかないほどのアーニャの力。凄い。
「我の使令に下れ!アーニャ!」
形を変えながらアーニャが近付いてくる。皆が呆気にとられる中で、アーニャはガラスが溶ける様に少女の姿となった。赤い瞳はそのままに。
目の前で起きた出来事にコーネリアとユーフェミアは驚きを隠せない。
「こういう事なんですのね・・・」
「不思議だな・・・」

「どうして、わざわざ折伏されに来たの?」
「スザクが初めて白い体、誉めてくれた。今まで嫌われてたから」
お日様みたいなスザクは暖かい。



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