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スザクVer. 04.向日葵だけだった(太陽のお題より) お題配布元二の舞姫さま アーニャは妖魔の豹だ。そして生まれつき色素が無い。いわゆるアルビノだ。 本来ならば茶色い体毛に覆われ、こげ茶や黒などの豹紋が入り黄海の岩陰に身を隠すはずだが、アーニャは真っ白い毛に覆われて目立ち過ぎた。僅かにある豹紋も淡いピンクで眼も赤い。 仲間から除け者にされ、一匹で生きていくしかなかった。 目立たぬ様にと体に砂や泥を纏い、白い毛並を隠した。隠しても隠しても白い。 白い体は夜目にも目立つ。狙われ易い。 木の陰に身を寄せて、眠れぬ夜を幾晩も過ごした。 そうやって気が遠くなるような年月をアーニャは一人で耐えてきた。 「おいスザク!何処行くんだよ!」 「何か白いものが見えたんだ。ほらあそこ!」 ジノはスザクの指差す方を見る。木立ちの間から確かに見える。 「ジノ何だと思う?」 ジノはスザクを見てニヤッと笑う。 「確認しに行こうぜ!」 2人はゆっくり、ゆっくり近付く。 「スザクはここまで。ちょっと待て」 コーネリアとユーフェミアからジノは何度も言われている。とにかくスザクの身だけは守れと。危険に晒すなと。 言われなくても、今のジノはスザクを守る事が最も重要だ。それが契約を交わした使令だ。 ゆっくり近付いたジノは、それが妖魔の豹であることに気付く。それは白くて、しかも。 「怪我してるよ!」 「スザク!お前な!」 ジノの言葉を無視してスザクは豹に近付く。豹は唸り声を上げて威嚇するが弱々しく、立ち上がる事も出来ないようだ。白い毛に赤い血が生々しい。ふらりとするスザクをジノが支える。 「ほれ見ろ。だから下がってろって言ったんだ」 「ごめん…」 麒麟は総じて血に弱い。スザクはそれを我慢してでも豹に近付きたかった。赤い目が泣きそうに見えたんだ。 「怖くないよ。何もしないよ」 ジノは溜息をつく。まだ使令になって日も浅い。短い付き合いだが、この麒麟が頑固で好奇心旺盛で、何にでも突進していくのはわかった。目を離すと何処へでも行ってしまう。そして、やさしい。 「お前が居てくれるようになって助かる」 アーサーの言葉の意味がようやく分かり始めた。 大体、こいつはそのうち王を選んで国に下りるんだろ?台輔と呼ばれて王と一緒に国の要になるんだろ? 「・・・・大丈夫なのか?」 そんな使令の思惑など微塵も知らず、スザクは目の前の白い豹の怪我が気になって仕方ない。 自分の上着の片袖を引きちぎると、細く裂いて豹の足に巻きつける。巻きながら、ずっと言葉をかける。 「ね、怖くないでしょ?痛いよね。でも白い豹なんて初めて見たなあ。綺麗だねえ」 「スザクあのなあ・・・お前麒麟だよ?血に酔ってまた蓬廬宮で寝込んでみろ。俺が怒られるだろうが!」 「だって、可哀想だよ!こんなにきれいな白なのに・・・」 青い顔をしながら、それでも必死に手当てをするスザクの顔を豹はじっと見ていた。 案の定、スザクは蓬廬宮に戻ると寝込んだ。熱まで出した。ジノは必死で説明をして、なんとかコーネリア達から叱られずにすんだ。女仙達は少し冷たかったが。 ようやくスザクが起き上がれるようになった頃、女仙の一人が飛び込んできた。 「あの!白い妖魔が門のところに!スザク様のお召し物の端を咥えているんですけど!」 豹はスザクを見上げた。スザクと目を合わせる。 あたし、アーニャ。スザクのそばにいたいの。 「僕の使令になるってことなの?」 そう。 「折伏していいの?」 うん。 皆が見守る中、スザクとアーニャは目を合わせる。外側からは想像もつかないほどのアーニャの力。凄い。 「我の使令に下れ!アーニャ!」 形を変えながらアーニャが近付いてくる。皆が呆気にとられる中で、アーニャはガラスが溶ける様に少女の姿となった。赤い瞳はそのままに。 目の前で起きた出来事にコーネリアとユーフェミアは驚きを隠せない。 「こういう事なんですのね・・・」 「不思議だな・・・」 「どうして、わざわざ折伏されに来たの?」 「スザクが初めて白い体、誉めてくれた。今まで嫌われてたから」 お日様みたいなスザクは暖かい。 |
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