騎士は白馬に乗っているとは限らない 230

今日の空は晴れ渡っています。








「こうやって、上に飛び上がる」

スザクの体が地面から離れる。そして回転。足だけではなく、体全体を回転させるのだが軸はぶれない。
確かに頭が先にあったはずだというのに、最後には足で蹴りが入るのは何故だ?何回も見せてもらっても全く分からない。
そしてくやしいことに、騎士はこれだけ動いているのにも関わらず全く息が乱れていないのだ。
ふわんとルルの側に膝を折って着地。にこ、と微笑みあう主従の姿にいつの間にか集まっていた幼稚園の職員達から黄色い歓声が上がる。

「という感じかな?」
「や、やってみるぜっ!」
「「タマキがんばれ~」」

早々に無理だと悟り見物を決め込んだ皆の声援を受けてタマキが立ち上がる。

「いくぜっ」

今度こそ。
ぱたぱたぱたぱたと走ってきて、ぴょんっ!・・・ドタ。
尻餅をついて顔をしかめるタマキを騎士が上からのぞき込む。
「ね?出来ないだろ?」
ほれみろ、と言わんばかりの笑顔。

少し下がったところで見ているジェレミアは先ほどからハラハラしどうしだ。
「く、枢木卿。その辺でやめた方がいいのではないか、と」
「ああ、そうですよね。じゃあ、皆と一緒にジャンプから始めようか」

しかし、ここで引き下がるタマキではない。日本男児たるもの、諦めるなど到底出来ないっ!
「いやだっ!やるんだ!きしにできるんだったらおれにもできる!」
むんずと胸を張る。だって、だってさ!

「ルルーシュのかーちゃんがおれのこと”きしみたいだ”っていったもんっ!おれもルルーシュのきしだ!」


「・・・・・・ふうん。そうなんだ。じゃあ出来なくちゃね」
「う、うん・・・」
にこ、と笑う騎士に思わずタマキは一歩下がる。あれ?おかしいなあ。

騎士からカレンの忠告がすっぽり抜け落ちた瞬間である。

ああ、マリアンヌ様、あなたというお方はっ!さめざめと泣くジェレミア。
ここにも聖母様が原因の胃痛に悩む人間が一人。



先程までとは全く違う鋭い回転を見せられてタマキはくそお、と唇を噛む。さっきまではニコニコと笑いながら回っていた騎士は今は真剣な表情でタマキを見る。

騎士

あんなの、あんなの出来るわけないじゃん!!だって、だってさ。何だよ。

タマキが見てすげえと思って、めちゃめちゃカッコイイと思ったのはこれだ。
「主を守るためだから真剣になるよ。自分の命に代えても守らなくてはいけないんだから」
男が真剣になっているのだ、そりゃカッコイイに決まっている。


タマキは園庭の片隅にしゃがみ込んで、皆がぴょんぴょん楽しそうにはねている姿を見ている。騎士が笑顔で説明をしていた。
「うんと高く飛べるように頑張ってみようか」
「「「わああい」」」


勝てっこないよな、と思う。
だって、あの騎士がルルーシュの一番なんだもん。タマキの大事な友達の一番。


すくっとタマキは立ち上がると皆のところに駆けていく。
「おれもやる」
スザクはタマキの頭にぽんと優しく手を置いた。
「きっと一番上手に飛べると思うよ?」
へへ、と笑うとタマキはこっそりと騎士に聞く。

「なあなあ、きしのいちばんもルルーシュなのか?」
「勿論!」
そっか。そうだよな。
「でもおれもまけないぜっ!!」
ぴょんと飛んだタマキは誰よりも青空に近い。


そして、ジェレミアの画像を見たカレンはスザクの頭を拳で両側からぐりぐり。
「痛いって、カレンっ!!」
「相手は幼稚園児だって言ったでしょっ!!!このバカっ!」



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