騎士は白馬に乗っているとは限らない 235

ブリタニアのヒエラルキーの頂点(事実関係)。







がしゃん。

子供達が遊ぶ姿を遠目に見ながらガーデンパーティーの用意をしていた元すっとこどっこいさん達は、突然のその音に慌てて全員が振り返る。
そこにはお皿をテーブルに置いてわなわなと震えているマリアンヌ皇妃。

さきほどまで和やかにテーブルセッティングを行っていたというのに一体どうしたのか。
崇愛なる皇妃様の突然の変化にこちらが慌ててしまう。

「あ、の・・・皇妃様?」
おそるおそる(笑)声をかけるリーダーには眼もくれず、マリアンヌは一緒にセッティングを行っていた咲世子に歩み寄った。
「咲世子さん、こちらはお任せするわ。よろしく」
きっ、と子供達の方を見据える皇妃の視線を辿った咲世子はお任せくださいませ、と頭を下げた。

視線の先にはただ一人。

「おい、なあ・・・あれって」
「え?いや、まさか」
しかし、この前もごねた前科を目撃していたので間違いはない。クルクルロールのブリロール。

マリアンヌは美しいドレスを持ち上げるとつかつかと歩いていく。
「あんの、バカ亭主っ」
親バカ皇帝、やはり抜け出してきました。



「おにいしゃまぁあ」
ナナリーの声に振り向けばそこにはナナリーを抱っこしている皇帝陛下。さすがのタマキも顔は知っている(余りに強烈なキャラなので)神聖ブリタニア帝国皇帝シャルル・ジ・ブリタニアが立っている。
怖そうで厳つい顔で堂々たるその姿に園児達全員の動きが止まり、緊張感が張りつめたのだがそれは一瞬。

「「「「陛下っ」」」」
ラウンズ3人と騎士が同時に叫ぶ。
それは恭しく相手を奉り膝を折るための叫びではなく・・・なーにしとるんじゃ、おのれはっ!の叫びである。
「ごめん、皆・・・私では止められなくて」
後ろでしゅんとしているのはカレン。さすがにカレンだけではこの暴走皇帝は止められない。

「ナナリーが遊びたいと申しておるので連れてきたぞ・・・なんだお前達その眼はっ」

スザク、ジノ、アーニャ、ルキアーノ全員からの冷たい視線。だって陛下、くじ引き外れたじゃん。その後も捕まってるのに、懲りないなあ・・・。これで一体何度目だ?
「成程、皇女殿下をだしに使われたわけですね」
「連れてくるのはカレンでいいの」
「知りませんよ、あとでベアトリスに怒られても」
スザクはふと後ろから走ってくる最強の奥方の姿を見つける。
「陛下、今すぐお帰りになったほうがいいと思いますけど?」
「なああにを言っておる!!ようやくビスマルクの眼を盗んでだな、」

「まあそうなの?」
振り向けば聖母様の微笑。しかし、眼は笑っていない。
「マ、マリアンヌ・・・?」
左手は腰に当てているが、右手でむんずと皇帝の胸倉をひっつかまえる。すでにナナリーはカレンの腕の中。
「あみだで外れて執務室でおとなしーーーくしている約束ではなかったかしら?ねえ、ルル?お約束は守らなくちゃいけないわよね?」
母に問われてルルはこくこくと頷く。
「おやくそくまもらないと、め!だよ・・・ちちうえ」

ルルだって色々お約束をしているのだ。その中でもなかなか守れないお約束、それは”おやつは4時以降は食べない”。

時々、
ラウンズの控え室でこっそりドロテアとモニカにクッキーをもらったり、特派の研究室でロイドとプリン食べちゃったり、スザクとジノと一緒にアイス食べたりすると・・・何故か母には全部バレるのである。それは夕食の量が減るのでわかることなのだが、内緒内緒のことなのにどうして母上にはわかるのか、というのがルルには不思議で仕方ない。
(当然共犯者はこっぴどく叱られます。でもまたやっちゃう)
そして母上に”めっ”とされるのである。

母上に”めっ”されるのは悲しい。


「ちちうえ、おしごとしてきて」
悲しげにルルに言われたらもう陥落寸前。そしてナナリーも。
「おとうしゃま、ありがとう。おしごとがんばってね」
にっこり、Wの攻撃。


「くぅううう、父は頑張ってくるぞっ!」

皇帝の寂しげな後ろ姿を見ながら皇妃は即連絡。
「ベアトリス?野獣が逃げ出したわよ?ええ、宜しくね」
そしてスザク達のほうへくるりと振り向く。

「いい?夜にもまた襲来があると思って頂戴。いいわね」
「「「「イエス、ユアハイネス!」」」」
この国ではどの人達に従うのが一番いいのか、というのが分かる光景であった。


そして、困りましたわね、と声がかかり振り返ればにこにこと微笑んでいるのはユーフェミア。
「ユフィあねうえ!」
「ユフィねえしゃま!」
園児達に向けて優雅に腰をかがめ、ようこそ、はじめまして、ユーフェミア・リ・ブリタニアですと挨拶をするのはまさしく本物のお姫様。ナナリー姫もお姫様ではあるが、御伽噺に出てくる姫はなんといってもユフィが断然近い。

長い髪、ふんわりとしたドレス。女の子達憧れのお姫様。もちろん男の子達にとってもお姫様というのはやはり違う。

それは当然こいつもである。
どきどきどきどき・・・。
耳まで真っ赤にして呆然とユフィを見ているタマキ。

でもね、タマキ。そのお姫様もブリタニア皇族だから。


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