騎士は白馬に乗っているとは限らない 238

珍獣使い(?)ビスマルク・ヴァルトシュタイン。







シャルル・ジ・ブリタニアはストを決行した。
とにかくここ数日のあいつらの皇帝への扱いときたらそれはひどいものだ。

とても世界の3分の1を治めている皇帝へのものとは思えない。

「しかしながら陛下。陛下の行いも皇帝としてはいかがなものかと思われますが」
隣でうんざりしているのはビスマルク・ヴァルトシュタイン。泣く子も黙るブリタニア皇帝直属の騎士団、ナイトオブラウンズのリーダーである。騎士の中の騎士であるはずのナイトオブワンの最近一番多い任務は皇帝のお守りだ。

「よいか、ビスマルク!儂は何も難しいことを申しておらぬ。ただルルが遊ぶ姿を見てみたいだけではないかっ」


皇帝溺愛のルルーシュ殿下、御年5歳。幼稚園に通い始めてそれはもう毎日楽しそうに過ごしている。大勢の友人も出来、話すことが毎日山のようにある。
なんと素晴らしいことだろう。
「ちちうえ、ちちうえ、あのね」
紫水晶の目をキラキラさせながら友人達との遊びや語らいを父に報告するルルの可愛いこと!遊んでいるルルの姿をこの目で見たい!と思っても仕方がない。
しかしながら、皇帝が幼稚園に見に行くわけにはいかないのだ。なんとかしてルルの姿を見ようと送迎の車を皇帝専用車へ変更させるように細工してみたり、無理矢理保護者会の予定を入れるように幼稚園に打診してみたり。
当然の事ながら即、特務総監にバレて全部失敗に終わっている。

そんな皇帝の唯一の心の拠り所(?)は「騎士も付いていかない」ということであった。ルルは幼稚園ではただの子供。皇子ではない。皇子ではないので騎士は付いていかない。あの憎き枢木が付いていかないのだ。2人揃ってルルの入園ニュースをTVで観て雄叫びをあげていた日もあるというのに。

いつの間にか、すっかりちゃっかり騎士が幼稚園の送迎をしているのである。


「え?でも門のところで”行ってきます””行ってらっしゃい”って言うだけですよ、陛下」
言うだけ、ではあるがプラスしてスザクのほっぺにちゅ、として「スザクもいってらっしゃい」のおまけが必ず付く。
帰りは夢中で遊んだキラキラの笑顔で「スザク~」と駆け寄るお迎えタイム。当然「お帰り」のほっぺチューは欠かさない。
その上。
この前は幼稚園への招待。
「ああ、くるくるキックを指導してくれって頼まれちゃって」
照れますよね、ははは。




「おのれ、枢木っ!!!!」
やっぱりそこか、とビスマルクは溜息をつく。
「幼稚園は無理であろうが、我が皇宮内での行事に何故儂が顔を出してはならぬのだっ」

アリエス宮でのお泊まり会。お庭での遊び、皆で眠る大広間。

「何故、儂はいけないのだっ」
「宜しいですか陛下。陛下はまず根本的に大きな間違いをされておいでです」
くわあっと噛みつかんばかりの皇帝に淡々とビスマルクは説明。
「こそこそと狡いマネをされるから皆に咎められるのであって正々堂々正面からきちんと行かれるのであれば、我らはお止めしません」
「・・・・んん?」

ようするにだ。
幼稚園での行事も”正規”の保護者会や運動会等があればもちろん皇帝としてではなく”ルルの父”として行けばいいのである。送迎は難しいが、たまーーーーにの事であれば、多少融通を利かせてぎりぎりのところに車を寄せて車中でごあいさつは可能であろう。
「勿論、どれもこれも陛下の警護が重要問題になってきますが”突然”でない限り可能です」
「・・・うむ・・・」
突然今日行く!と騒ぐから止められるのだ。

「それから今回のアリエス離宮でのお泊まり会ですが、子供というのは非常に正直です、陛下。少しでも陛下の崩れた姿など見せますと、今まで国内外に向けて発信してきましたブリタニア皇帝としての威厳や国威にも大きく影響してきます」
何をするにも他人の前では「プライド」をきちんと掲げた姿でいなくてはならない。
「そ、そうは言うが儂が行ったときにあいつらの対応も酷かったぞ!あの時にあいつらが皇帝としての扱いをだな、」
「それでは陛下はその時に”ブリタニア皇帝”としてお出でになられたのですか?」
「・・・」

そういうことである。

「ですので、きちんとしていただければ私共もそれなりの対応をさせていただきます」
ストなんてアホなことしていないで仕事せんかいっ!大体くじに外れた時点で執務室で仕事だと約束しただろうがっ!と、口には出さずにずりずり皇帝を引きずっていくのも最早ここでは見慣れた風景。
すごすご、渋々。


「おかあしゃまぁ」
「ははうえ、ちちうえもくる?」
マリアンヌはにっこり笑ってルルとナナリーの頭を撫でる。
「お仕事が終わったら来ると思うわ。お約束は守らなくちゃね?だってあなた達とお約束したでしょ?」

『ちちうえ、おしごとしてきて』
『おしごとがんばってね』

そう終わったら。

「陛下、次はこれとこれが。ああ、あと謁見もございますので」
「ルゥルゥウウウウ、ナナリーィイイイイイ」

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