騎士は白馬に乗っているとは限らない 232

新たなテロ、発生か?







「ベアトリス、食事のほうだけど」
「マ、マリアンヌ様っ!?」
あの元テロリスト達と一緒に大広間の準備をしていたはずの皇妃が目の前に現れて、特務総監が大慌て。
「よろしいんですかっっ」
「何が?ああ、あの人たち?大丈夫よ、ルルがあっという間に落としてたわ」


「わあ、すごいねえ」
パチパチと両手を叩いてルルが喜ぶ。あっという間に並んだたくさんのベッド。
テロリスト達、張り切る、張り切る。
何せなにをしてもこの皇子様はあのとびっきりの笑顔で喜んでくれるのだ。しかも本物の笑顔。

そして。
「どうも、ありがとう」
にこにこと笑いながらルルはぺこりと頭を下げた。


「すごいねえ、スザク。ベッドがたくさんならんだよ」
「本当だ。おじさん達力持ちなんだね」
眺めているだけではなく、騎士も皇子も一緒になってベッドマットを運んだり、枕をとことこ並べて回る。

シーツを両手に抱えられるだけ抱えこんだルルが、トテッと蹴躓いた。

「わあっ!!」

ひょい、と助けたのはあのリーダーだ。

「ありがとうっ!」

お礼なんて言われたことがなかった。
何をしても、どれだけ頑張っても認められたことなどなかったのに。
この皇子は心からの礼を元テロリスト達に伝える。
それも当たり前のように。
ツンと鼻が痛くなる。
「くぅううううっ!!」
「兄貴ぃ」
「お、俺達は一体何をしてたんだろうなあ・・・」

「おじさんたち、どうしたの?」
ちょんと首を傾げるルルの横にスザクが立つ。涙を拭う元テロリスト軍団を見ながらルルの頭を撫でる。
「ルルにありがとうって言われて嬉しいんだって」

感謝される気持ちを知ったこの人達は、きっと心の底から変わるだろう。



しかし、である。この皇宮にテロが発生する。
それは何重にも厳重に張り巡らされた警備を難なくすり抜け、アリエス離宮に忍び寄る。
まさか、と思うのであるがこれは事実。
その事実に特務総監もナイトオブワンも顔面蒼白で走り回る。
「マリアンヌ様っ!!!!」

だが、そのテロリストもこの皇妃に敵う訳がなくあっさりとお縄となった。その犯人の頭はクルクルロール。ブリタニア皇帝その人である。

「シャルルっ何やってるのよっ!」
「馬鹿者!儂だって参加したいではないか」

何に参加したいのか。お泊まり会である。

幼稚園で過ごすルルを身近で見たいと思っているのにそれが叶わないのである。保護者会にすら参加できない身としては絶好のチャンス!

「陛下、何してるんですか?」
「枢木ぃいいいいいい!お前こそ何をしている!」

騎士はきちんと自分の枕を移動中。

「え?何って、ルルの添い寝は当たり前ですから」
「馬鹿者ぉおお、儂がやる!」
「「陛下っ!」」
にっこり手を振る騎士に見送られて、ベアトリスとビスマルクにずるずる引きずられていく皇帝を、元テロリスト達は唖然と見ている。

あれがブリタニア皇帝!?

その横で小さな姫が母そっくりの格好で一言。
「もお、だめなおとうしゃまでしゅね!」

にぎやかな笑い声が絶えないアリエス離宮である。

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