ぼくのこころに、きみがくる 5.

無理な理由。








「え! てっきりルルは医学部かと思ってたのに」
皆揃っての昼休みは先日配られた進路の用紙についての話題だ。
「俺もそう思ってた」
なあ?と顔を見合わせたリヴァルとシャーリーが頷きあう。絶対にスザク先生と一緒の道だろうと思っていたのに。
「絶対に無理だ」
だがルルーシュはきっぱりと否定する。何が無理なのか。確かに医学部にというと大変だろうが、この成績では大丈夫ではないのだろうか。玉城の店によく訪れるようになったダールトン先生も何となくではあるが、自分がいる大学の話をちらちらと持ち出していたような気がする。
「大学に6年通って研修医で2年だぞ? それに臨床実習や研修もあるし」
ルルーシュはぐっ、と拳を握る。

「そんなに忙しかったら先生の世話が出来ないだろう!?」

リヴァルが「おい」と突っ込んだがルルーシュは聞いていない。先生は適当にやると言ったら間違いなく適当になるし、医者とは思えないほど自分自身には無頓着だし、少し目を離すと白衣も放ってあるしとぶつぶつとルルーシュは文句を言い、それに陥らない為に自分が世話をしなければ!と力説していた。
シャーリーは(ナナちゃんがいるんだから多少はいいんじゃない)と思ったものの、あえて口には出さない、出せない。
そしてリヴァルと再度顔を見合わせて、それから二人でルルーシュの前に置いてあるお弁当を見る。あのクリニックで弁当が必要なのはルルーシュだけだ。ナナリーは学校でランチがある。ということは、普通であればルルーシュは自分の分をこしらえればいい訳である。だが、ルルーシュはスザクの分も作ってくる。いや、違う。スザクの弁当が主だ。きっちり仕上げて、その残りを自分の弁当に回している───というのは「何だかスザク先生の好きそうなものばかりよね、あんたのお弁当は」と一言突っ込んだカレンに「先生のを作っているんだから当たり前だ」と返されたルルーシュの返事で明らかとなった。ルルーシュの中には自分が購買を利用するとか先生は外食で済ませばいい、という選択肢はない。
どこまでも先生が中心のルルーシュ。
「あの、さルル。スザク先生には言ったの?」
「ああ。薬科も難しいから頑張れと応援してもらった」
にこにこと話すルルーシュにこれはダメだと考えたシャーリーは助けを求めるべくカレンを見るが、カレンはカレンでどうしようと呟いている。

「ねえ! 何着ていけばいいのっ!?」
とうとうジノ先生がカレンと付き合うことをOKした───のではないのだが、遊びにいくか?と誘ったのである。「好きじゃなくてもいいから付き合って!」というのはきっぱりとダメだと断られた。スザクとルルーシュ程ではないにしろ、ジノとカレンが付き合うのも色々とあるのだ。
ルルーシュが「恋人同士なら何にも問題はない」と言い切った言葉をカレンは現在ようやく理解し始めていた。 確かに本当にそれならば問題はない。
そしてルルーシュが子供ではなくスザクの隣に並ぶために大人になりたいと願ったその気持ちも理解した。
「ルルーシュ、わたしも大人になりたい」
「何だ、いきなり」
「だって……やっぱり子供だもん」
子供の頃憧れたあのミレイ先生くらいだったら良かったのかなあ。

ルルーシュは少しだけ困ったような顔を見せた後で、よしよしとカレンの頭を撫でた。頑張れ。


ふと時計を見て、もうこんな時間かとジノは開いていた本を閉じて立ち上がる。未だ勉強が必要な職業だ。医療機器にしても医薬品にしても新しいものになればこちらも知識が必要になる。何冊か積んである本はスザクから回ってきたものだ。昔から「へえ?」と思うレポートを書いていたスザクだったが、成程資料を選ぶときから違っているんだな、とこれに関してはジノもスザクに一目置いている。近頃ではルルーシュと一緒に書店で探すのが楽しいらしい。
「あいつらは二人一緒ならどこでもいいんだろうけど」
それこそ商店街を歩いているだけでも楽しいはずだ。ルルーシュなんてちっちゃい頃からスザクと歩いている時は嬉しそうに笑っていた。もっともそれはあの馬鹿にも同じ事が言えるのではあるが。

「何処連れてったらカレンは喜ぶんだ?」
さて、俺はどうしたらいいんだ?


**********
バカップルは手本になりませんから。






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