ぼくのこころに、きみがくる 2.

結構一途。








ルルーシュはキッチンに立って鍋をかき回している。昼はどうするのかとカレンに聞いたのだが、カレンは午前の診療が終わる寸前に飛ぶように帰っていった。そしていつもなら間違いなくここで食べていくジノ先生も同じく帰っていった。二人ともここで顔を合わせるのを回避したに違いない。
「カレンちゃん、あんな爆弾発言しても恥ずかしいんだね」
「あのね、スザク先生。女の子は複雑なのよ」
ほんと、女心がわかんないんだからぁとナナリーがぷんと横を向き、スザクがごめんごめんとナナリーに謝る。その会話にルルーシュも吹き出しながらスープを器によそった。
「でもアーニャさんは食べていくと思ったのに」
そうなのだ。今日は本当に珍しく三人で食事になっている。夕食ならともかくとして昼食はほとんど無い光景だ。ルルーシュが学校の時は用意した食事をスザクがジノとアーニャと食べている。それは用意されているということもあるが相変わらず診療時間が延長される為に午後の開始までそんなに間が無く、だったらここに居た方がいいというそんな理由だ。それに何よりもルルーシュの食事は美味しい。スザクはオムライスの皿を受け取りながら二人の顔を見て溜息をついた。
「アーニャはね……C.C.のところに行ったと思う……」

玉城の店はランチはやっていない。という訳で選択肢は他になく魚屋のおばちゃん経営の定食屋の暖簾を捲ったジノはカウンターに座るC.C.とアーニャとばっちり視線を合わせることとなった。
「……あー、やっぱり俺いいや……」
「逃げるのか、ジノ。お前ちょっとここに座れ」
半分逃げ腰のジノだったが、仕方なく腰掛ける。
「ジノ先生、ランチはアジフライだけどね」
「……それでいいです。あ、一枚追加でメシは大盛りで」
いつもであればカウンター内から揚げたてのフライが出てくるのを楽しみに待つのだが、今回はじーっと見つめられたまま。その状態に耐えきれず、ジノはカウンターに突っ伏した。


カレンがジノを「あれ?」と思い始めたのは、父親がカレンを引き取りたいと言い出したあの騒動の時だった。全然関係ないのに親身になって怒ってくれたジノ。勿論他のメンバーも怒っていたのだが、特にジノは笑う姿と怒る姿のギャップが激しい。しかもその時期のスザクはまだ半分心を閉ざしていた為にジノの姿のほうがカレンには分かりやすかったのだ。
兄のナオトと同じように怒ってくれる人。
でも怒っている姿よりもカレンは笑っているジノの方が好きだった。
引き取られた後、ひとりぼっちの部屋から眺めた青い空がジノの青い目を思い出させた。
あれは初恋だったんだと気付き、そんな中ルルーシュとナナリーと再会する。ナナリーとの会話に出てくる昔の話。ルルーシュがクリニックの話をあまりしない事が不思議だったが今は分かる。ルルーシュは好きな人にもう会えないと自分で決めていて、思い出すことさえも辛かったのだ。カレンは───カレンは戻るつもりであったから懐かしかった。ただ初恋の相手だと自覚があったジノに会うのは恥ずかしいなとそう思っていた。当の昔に結婚もしているだろうと思っていたから会ったら「先生が初恋だったの」と話して笑い話にしようと心に決めていたというのに。

ジノは未だ独身で、しかも振られてフリーになっていた。
ねえ、これってアタックしてみろってことなの!?

「なーんでお前がいいのか私にはさっぱり分からないんだがな。カレンなら他にもいるだろうに」
C.C.の言葉にジノは、はあと溜息をついた。これで何度目だよ、俺。
「あのさ、はいそうですかって言える相手じゃないだろ? あの子は気軽につき合う相手じゃない」
全ての責任を取ることになるだろう。それこそ自分が今までつき合ってきた人に対して見て見ぬ振りをしてきた部分まで全部、だ。誤魔化すことが出来ない相手だ。それにあの子はまだ17じゃないか。

そりゃ、悪い気はしないけど。

その気持ちがあればまず一歩、のはず。



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「目次」整理しなおしました…というかTOP画面の文字制限でこれ以上増やせなくなったんです(笑)
まとめたら、さっぱりしましたね(笑)

拍手にて目次の不備(誕生日・くるるぎ順位)の連絡を頂きました方、有難うございます。直しました!


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