ぼくのこころに、きみがくる 10.

色々行動開始?







ちょっとしたざわめきが廊下から伝わってきたのは放課後になってすぐだった。そのざわめきをそのままシャーリーが教室まで持ち込んだ。
「どうしたんだ?」
「何かね、凄い車が停まってるんだって」
ふーん、とルルーシュは返事をしただけだったが、興味津々のリヴァルは教室の窓から身を乗り出して校門の方を眺める。途端に一声叫んだ。
「あーーーーーっ!」
「何だ、リヴァル煩いぞ?」
顔をしかめたルルーシュを一切無視し、リヴァルはその腕をぐいぐいと引っ張った。とにかく、外を見ろ、と指をさす。一体何がどうしたのかと仕方なく外を見たルルーシュも「あっ!」と一言叫び、親友と顔を見合わせる。
「……なあ、あれってジノセンセの車だよな?」
「間違いない」
そして今度は職員室から戻ってきたカレンを2人が引っ張って外を見せる。そしてカレンの絶叫が響きわたった。

「ジノ先生!」
「よお。迎えにきた」
「迎え!?」
転げる様に飛び出してきたカレンをジノは笑顔で出迎えた。学校中の注目をその身に集めカレンは呆然とジノを見る。校門に横付けされた車は───一般家庭用のファミリーカーではないし、ジノの背の高姿はとにかく目立つ。
「迎えって……」
状況を把握していないカレンに対しジノは静かに笑っている。そして、カレンの後ろからやってきたルルーシュとリヴァル、シャーリーに片手を上げた。
「そんな訳で迎えにきたんだ。シャーリーも乗ってく?」
「え、え、え、え、え遠慮しますっ!」
どんな訳だよ、と聞く前にジノはさっさと助手席にカレンを押し込み、車を発進させる。ガラス越しにカレンが「ルルーシュ、リヴァル、シャーリー」と叫んでいるのはわかったが為す術なしの3人は走り去る車を見送った。
勿論、その後が大変である。カレンは男子に人気があり、ルルーシュ程ではないが呼び出しがかかる事は多い。その男子達の目の前で“大人が、凄い車で迎えに現れた”のだ。これの意味するものは一体何か、と問いただしたいという目の奴らに取り囲まれることは分かっているので、車が走り去ったのと同時に3人もその場を大急ぎで離れた。

そしてくるるぎクリニック。
帰宅したルルーシュとその他2人をスザクが出迎えた。そして3人はいきさつを知る。
「ええと、じゃあ簡単に言うとジノ先生のやきもち……?」
「そういうこと」
にこっと笑うスザクに思わずシャーリーは赤くなって俯いた。これでルルーシュの“旦那”であると聞いていなかったらついついぼーっと見てしまうところである。商店街のおばちゃん達が『ホント、あそこは目の保養になるのよねえ』と騒ぐ意味がよく分かる。でもセンセ、ルルが睨むから笑顔で見るのは止めて!と思うシャーリーだ。
───これで私達が帰ったあとでルルが先生に文句言うのかな?『他の人を見るな』なんて俯いて、ああルル、その角度は不味いと思う!すぐにスザク先生に……
「うわあ、駄目だよルル!」
「……何がだ」
「あ、あれ?」
力一杯拳を握って立ち上がったシャーリーは何でもない!と両手を振って誤魔化したが、後ろでくすくす笑っているナナリーにはそんな妄想はどうやら筒抜けらしい。
「シャーリーさん、面白いです」
「ナナちゃん! 内緒にしてね!」
「はーい」

要約すると玉城の店に食事をしにきたジノ先生がリヴァルと玉城、そしてナオトの会話に「イラっ」としたことが原因らしい。
「えっ、俺!?」
「そうみたいだよ? カレンちゃん宛の手紙をリヴァルくんがよく頼まれるんだよね?」
「あー、あれかあ……」
でも確かあの時、カレンは全部受け取っていないという話もしていたはずだ。しかし、狙う男の存在だけがジノの中で大きく浮き彫りになっていった、という訳だ。
結局なんだかんだ言っていてもあの2人はすっかり出来上がっているということ。
「高校生だったら良かったとか馬鹿なこと言っていたけど、どうやら本気らしいね」
散々ジノに『こんなスザクは初めて見た』と言われ続けていたが、こっちも同じ台詞を返してやろう。そんな事したの、初めてじゃないのかい、ジノ。
「でも僕もやったこと無いのに先越されたなあ。ルルーシュ、明日迎えに行こうか?」
「先生は、明日は午後も診察があるだろうっ!」
突っ込むところはそこなのか、とその場の全員が思わずルルーシュに突っ込んでいた。


その頃カレンは、どうしたらいいのかとか、明日どんな顔で学校に行けばいいのかとかぐーるぐる頭の中を回転させていたが何よりも一番聞かなくていけないことがあるのはわかっていた。でも怖くて聞けない。
こ、今度の信号が赤になったら聞こう……。
しかし、そういう時に限って青になる。
こういうのはわたし、全然駄目なんだもん!
世の中の女の子達はどうしてあんなに勇気があるのだろうかと思う。尊敬すら覚える。

「……先生、わたし嫌い?」
「嫌いだよ」
やっぱり。そうだよね、わたしもこんな自分じゃない自分嫌いだもん。
「俺の睡眠時間奪いやがって」
「……あれ?」





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