ぼくのこころに、きみがくる 15.

相談所もかねてます?







くるるぎクリニックの上は住居スペースになっている。そのリビングではカレンがちょんと座っていた。
「あっ、お構いなく」
「何言ってるんだ、お前。紅茶でいいだろう?」
うん、と頷くカレンの前にはカレン“専用”のうさぎのマグカップが置かれる。こんな物まで用意してある馴染みの場所なのに、何を畏まっているのか。
「スザク先生は?」
「……もうすぐ帰ってくる。さっき相談所を出たってメールがあったから」
「帰るコールまでしてるの!?」
「……帰るか?」
「いえ、すみません」
そわそわと落ち着かない様子のカレンは、短いスカートの裾を膝の上でぎゅうぎゅう引っ張っている。ルルーシュはそんなことを気にするカレンを初めて見て、ふうんと感心している。
「ナナリーは?」
「部活。もうすぐ試合だそうだ」
ナナリーはテニス部に入部して毎日楽しそうにしている。最も、あのウェアを見て保護者とその友人が絶句し「ナナリー、そんな短いスカートはダメだよ!」「おおそうだ、短すぎる!」と騒いだこともあったが、アーニャのアドバイスにより着てみせたナナリーのその可愛さに許可が下りた。ティアードになったスコートをくるん、としたナナリーの可愛さ。当然ナナリーのFCも絶叫!
ちなみに兄も相当もやもやしていたのだが、それ以上に保護者達が騒いだので騒ぎきれずにいた、という事実があったりする。
「あ、帰ってきた」
「?」
遠くから聞こえるエンジン音だけでわかるのかと眺めているカレンの前でルルーシュはいそいそと先生のコーヒーを用意始めていた。


「あのっ! ジノ先生が手を出さないのってどうして……かな?……と思って」
少し言いにくそうにしていたカレンからようやく出た言葉に、向かいに座っていたルルーシュとスザクは同時にぽかんとカレンを見る。瞬く間に真っ赤に染まっていくカレン。
「カ、カレン、お前!」
「だって! 心配になるんだも……ん。だって……本当に付き合ってるのかな……?とか」
ちろ、と上目遣いで目の前の2人を見る。ルルーシュとスザク先生との間はもうよーく知っているし、2人が致していることも分かっている。ルルーシュが落ち着いて幸せそうで、いいなあ、と思う。

わたし、本当にジノ先生と付き合ってるのかな?

驚いたような顔をしていたスザクは成程、と頷いた。
「カレンちゃん、経験者としてC.C.に聞いてみればいいのに」
「おねーちゃんは駄目! そんなこと聞いたらジノ先生に余計に牽制かけにいくもん」
その状況は非常によくわかるだけにスザクも苦笑を隠せない。
「んー、まあ本人に聞くのが一番いいんだろうけど長い付き合いの僕から見ててもジノは本気で向き合っていると思うよ?」
「……本当?」
スザクは大きく頷く。ジノが付き合った色んな相手を見てきたがジノ自身、軽いノリでいることが多かった。フられたといいつつもそれほど打ちのめされる様子もなかったし、別れ話で修羅場を演じるなんて事も無かった。ようするに向こうに呆れられての別れ話が多かった為に拗れることが無かったということだ。そしてジノ自身もそれほど真剣ではなかったのだ。そんな付き合いしていれば呆れられて当然と言えよう。
「カレンちゃんには真剣に向き合っていると思うけど……これをジノが言わないと駄目なんだよね……。告白されたんじゃないの?」
「……好きって言われたことない」
これにはスザクもルルーシュも驚いた。今までのジノ先生ならば簡単に言いそうなのにと思う。ということは本当に大事にしているということではないだろうか。
年齢もあるだろうし、おそらくここまで来たらゴールは決まっているような相手だ。そこまで見極めて向き合っているとしたら───。
「大事にしすぎてるのか。ジノも不器用だなあ……あっ、僕はルルーシュにしょっちゅう好きって言ってるけど、大事にしてないからじゃないからね!」
「そんなこと、オレだって分かってる!」
「言わなくて失敗したから、きちんと伝えないと、と思って」
「……先生今度は言い過ぎてる……」
「僕としては不十分だと思ってるんだけどなあ」
にこっといつものあの笑顔を見せるスザクと照れているルルーシュを見ながら、相談相手を間違えたかなあと思うカレンであった。
でも他にいないし。







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