ぼくのこころに きみがくる 16.

♪なーかせた、なーかせた







大事にされている。
それはカレンも感じている。
「……でも」
クッションをぎゅうと抱え込むところんと転がってみた。

乙女心は複雑に出来ている。


「あっ」
ん?と顔を上げたスザクの前でジノは上着のポケットから携帯を取り出す。
「……あれ? 振動したと思ったんだけどな」
おかしいなともう一度ポケットに携帯を入れる友人を見て、スザクはふーんと眺める。
「何だよ」
「ファントム・バイブレーション・シンドロームっていうんだよね、それ」
「っ、だから着信かな、と思っただけだって」

スザクは書き終わった書類をとんとんと机の上で整えた。児童福祉司という肩書きも持つために最近では医者としてだけではなく、こちらとしても動くことが増えてきた。
親にしても子供にしても一筋縄ではいかないのが最近のケースだ。相談内容も多岐にわたるために勉強はかかせない。もうちょっと心理学もやっておけば良かったと思うが、それでもまだ遅すぎることはないだろう。近頃ではダイニングテーブルでスザクとルルーシュ、そしてナナリーが一緒に勉強をするというのも珍しいことではない。
整えた書類を紙封筒に納めた。
提出書類の多さにはいささか閉口している。これがお役所というものなんだろう。里親申請の際に比べれば格段に少ないのではあるが。

「カレンちゃんからの着信を待っている、ってことだろ?」
ファントム・バイブレーション・シンドロームというのは、携帯は振動していないのに振動したように感じる現象のことだ。着信を待ち望んでいる状態ほど経験の確率は高くなるらしい。
「待っていないでジノからかけてあげればいいじゃないか。カレンちゃん、この前ウチに来て、ジノ先生が手を出してくれないって言ってたよ?」
「はあっ!?」
「好きとも言っていないんだって?」
ジノ呆然としている。そりゃまあそうであろう。まさかここにそんな事を言いにきているとは思ってもみないのが普通だ。そんな友人を見てスザクは笑う。
「確信が欲しいんだよ、女の子としてはさ。別に手を出せとは言わないから、付き合っているということは伝えてあげなよ。あと、好きって言わないとあの子そのうちに泣くよ?」
強そうに見えるがカレンの内面はとてもデリケートな女の子だ。

そして泣かせてしまった。

スザクからの言葉を受けてこちらから電話をすればワンコールでカレンが出た。その嬉しそうな様子にもっと早くにかけてあげればよかったと思う。何となく恐々と行動してしまっているのには自分でも気付いていた。
「少し出かけようか」
「うん!」
あれこれ理由を付けなくてはデートに誘えない、と考えていたのだが全く関係ないらしい。そういえばルルーシュなんてそこがスーパーでもホームセンターでもとびきり楽しそうな顔でスザクと歩いているな、と思い出す。あの2人と比べること自体、どうかとは思うが確かに自分達に一番近いカップルであるのは間違いない。
───カレンが相談に来るのも仕方ないか。
車の助手席で笑っているカレンを心底可愛いなあと思う。本人気付いていないようだが、その胸と足は男達の視線を引き寄せる。これまではいい女連れて歩いて見せびらかしたい気持ちの方が大きかったが、現在のカレンに関しては出来るならば見せずにしまっておきたい。高いヒールのサンダルで歩きにくそうにしているカレンに手を出せばとびきりの笑顔でぎゅうとしがみ付いてくる。
「先生、どこいくの?」
「んー決めてる訳じゃないんだ。おっもう水着がある。夏はプールに行こうか」
「行く! 皆で行くと楽しいかも」
ジノは笑ってぽんとカレンの頭に手を乗せた。
「2人で行こうかって言ったんだ」
「…………行く」
そんな一言でこんな可愛い顔してくれるんだったらいくらでも言ってあげるのになと思ったジノに後ろから声がかかった。
「久しぶりね」
「ああ、元気?」
カレンはしがみ付いていた腕から手を離してその場に立って話している2人を見ている。どうみても自分よりも随分上だろう。大人の女性がそこにいる。俯いて自分の格好を見れば、張り切って着て来たワンピースの裾が揺れた。高いヒールも頑張って履いたけど結局上手に歩けていない。相手の女性を見ればすっきりとしたパンツスーツに細いピンヒールが見えている。普段から履き慣れているのだというのはすぐに分かった。たまらなく恥ずかしくなってきて、もう一歩下がろうとしてバランスを崩しかけるが、すぐにジノ先生の手が伸びてカレンの細い腰を支えてくれる。
「大丈夫か?」
「う、うん……」
その人はにっこりと綺麗な口紅の唇で微笑んだ。
「可愛いわね、妹さん?」

「可愛いだろう? 俺の恋人なんだ」

ぽつん、と涙が落ちた。

「えっ!? あれ? カレン?」
「ふぇえ」
慌てるジノの前でカレンの目からどんどん涙が落ちる。

おい、スザク! 好きって言っても泣かれたぞ!





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100万打、有難うございます。これも全て訪問してくださる皆様のおかげです。そして全く気付かずにいるこんな管理人に連絡ありがとう、まるさま。ちっともTOP画面確認してないというのがホントバレバレ…。
落ち着いたら何かしたいなあとは思ってます。最近していない簡単アンケとかもやりたいですね~。その節は宜しくお願いいたします。


そして、遅まきながらモバゲーに手をだしました(苦笑)うーんやる気はなかったんですが、長男が「紹介するとコインが貰えるから、かーちゃん、ギアスやれ!(命令かい!)」ということで始めさせられました。しかし、何がなんだか(笑)
お友達とか挨拶とかってどこまでしたらいいの? スルーでいいの? 
うーんツイッターも手を出していないのに、こういうのはどうしたらいいのかわかりません、はい。





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