ずっと君をさがしてた 52.

さがしてた。











「……あ?」
ルルーシュはプリントを手に、佇んだままの自分にようやく気付いた。
誰かと、何かを話していたような……気がするが教室には自分しかいない。グラウンドからは部活中の生徒達の声が聞こえてくる。時間を確認したが、別に普通だ。何も問題はない。しばらく考えていたルルーシュは「まあいいか」と呟くと先ほどまで行っていた作業を再開した。早く終わらせないとスザクの部活の終了に間に合わなくなる。


だれだ。
「久しぶりだな、枢木スザク」
俺にも、俺にも、と煩いジノにスポーツドリンクのボトルを放り投げた、そこまでは覚えている。それなのに目の前にいるのは一人の女子生徒だ。
───誰?
わからない。でも凄く大事な何かに関係して、そしてこの目の前の少女が……。
「ったく、この恩知らずな奴め。ナナリーは全て覚えているというのに」
「ナナ……リー?」
どうしてそこで先輩のあのふわふわした妹の名前が出てくるのか。C.C.は少しだけ笑うと右手でスザクの肩を押した。ただそれだけだったが、空間が一変する。そして何もかもを思い出す。

そうだ、僕はこの手で『ルルーシュ』を。

押し寄せるのは焦り、だ。あの頃の自分と今の自分が重なる。それでは今までのは全部!
「C.C.!」
「安心しろ、夢じゃない。お前の前にはルルーシュがいる」
夢じゃない?何度も何度も夢に見た世界は今自分の前にあるのか?ルルーシュは笑っているのか?自分は守れているのか?

そこはおかしな空間だった。C.C.の記憶の中だ。立っているスザクとC.C.の周りで空間だけが流れていく。幼いスザクとルルーシュ。喧嘩して仲直りして、友達になって───そして最悪な敵になった。
大好きで、一番守りたくて、愛しくて。それなのに、自分の手で殺した。
スザクは自分の手を眺める。
「記憶が」
「ナナリーは喜んでいた。記憶が無くてもお前はルルーシュを選んだのだと。そうそう、あのピンクのお姫様をこっぴどく振ったらしいな」
「……そうか、あれユフィだったんだ……」

ギアスから解放してほしいと何度も何度も泣きついた。
ルルーシュから貰ったものはあのギアスだけだったが「あれ」のおかげで側にいけない。
生きて償うことが自分に与えられた罰であったが、それを乗り越えるには何もかも失いすぎた。
───ルルーシュ。君は僕の全てだった。
「だから、私があれほど言ったのにお前達は、」
「でもC.C.!」
はあ、とC.C.は大きく溜息を吐き出す。
「自分だけだったらどうしよう? お互いがそう思っていたんだから本当に馬鹿としか言いようが無い」

あれも全て運命だったとその一言で片づけてしまうには、それはあまりに切ない。たった18の少年達に世界はどれほどの使命を与えたのか。

「探したろう? ルルーシュを」
「……そうだね。ずっとさがしてた」
探していたことは間違いない。ルルーシュを初めて見たときに感じたのは確かに「見つけた」という気持ちだったのだ。
「言いたかったことも、してあげたかったことも全部出来てる。ルルーシュが先輩っていいよ。ほら元々お兄ちゃん気質だからね、世話焼いてくれるし、優しいんだ」
「……お前、こんなところでも惚気か? しかし当たり前だがルルーシュは何にも知らないんだな」
「それでいいよ」

うん、それでいい。

C.C.はもう一度笑う。その笑顔は明るく光に満ちていた。


「スザク、サンキュ!」
ずい、と目の前に差し出されたペットボトルをスザクは受け取る。だが、その中身と言ったら。
「ジノ! なんだよ、ほとんど入ってないじゃないか!」
「体格の差でいくと、んなもんだろ?」
ジノは自分の頭からスザクの頭までの差を片手で示す。この差の分は余分にいるだろう、という顔のジノの向こう脛をとりあえず蹴り飛ばしておく。
「いってええええっ!」
「今度はジノのヤツ飲んでやる!」
ふん、と竹刀を握って練習に戻るが、ふと思い出したかのようにスザクは振り返る。振り返った先には何もない。





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陛下とナイトオブゼロ、未だ箱より出しておりません(大笑)家族からひどく冷たい目で見られてます。このまま箱入りのままかしらん。







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