ずっと君をさがしてた 55. 

学園祭 序章











「異議のある人、いる?」
黒板の前に立ったアーニャの声にスザクとジノがはい!と手を挙げる。アーニャはくるっと教室を見回すと、分かったと頷いた。
「じゃあ、これで決まり」
「「アーニャ!」」

もうすぐ、学園祭。

「だから、あれはおかしいってば!」
「そうだ、そうだ!」
ぎゃんぎゃん両側から叫んでいるスザクとジノに挟まれて、アーニャは煩いと耳を塞ぐ。そのまま黙っていたのだが、両側の2人が黙ることはない。がたん!と立ち上がるとアーニャはだん!と机に片足を乗せてみる。
「……あ、黙った」
カレンから教えられた黙らせる方法だ。顕著に現れる効き目に、流石、カレン先輩と口の中で呟いたあと、スザクとジノの頭にげんこつを落としておく。これもカレンから伝授された技だ。なるほど、長年この2人を指導してきているだけのことはある。黙るし、静かになる。

「うっさい。もう決まったから。覚悟を決めるのも男だと思う」

ちっちゃいアーニャが煩い2人を黙らせると、静観していた級友達から拍手が起こった。




各クラスから集まってきた催し計画表を眺めていたルルーシュが一年のあるクラスの用紙を見て、吹き出した。
「おい、スザク」
「……何ですか、せんぱ───あーーーっ! それ! アーニャに提出は見送れって言っておいたのに」
ルルーシュが指先で持っている用紙を横取りしようとしたスザクだったが、その前にスイとミレイに奪われる。当然用紙を眺めたミレイも吹き出す。
「よしよし、受理済みっと!」
ぽん!とスタンプを捺して終了。
「会長……………………」
アッシュフォード学園、学園祭。この大騒ぎには恒例行事がある。それが一年生の「舞台発表」なのだ。
「これは恒例なのよ、スザクくん」
「それはわかってますけど!」
クラス委員長アーニャ率いるこのクラス。出し物は「シンデレラ」

配役 シンデレラ=ジノ 王子様=スザク 魔法使い=アーニャ

この配役にするなんて、なかなかセンスがあるではないか!
「だけどこれ衣装大変そうよねえ。あー、だからアーニャちゃんがここにいるのね?」
ミレイの言葉にアーニャはこくんと頷く。ちょうど隣室で打ち合わせをしていたらしいアーニャとシャーリーが生徒会室に戻ってきたところだ。
「シャーリー先輩に手伝ってもらおうと思って」
「まっかせて!」
料理に関してはからっきしのシャーリーだったが、お裁縫の腕前はとびきりである。
「去年もがんばったもん。綺麗だったよね~ルルのジュリエット」

「…………え?」

「バ、バカ。言うなシャーリー!」
「……先輩がジュリエット? ロミオは?」
恒例であるため、去年一年生だったルルーシュ達は舞台発表だったのだ。歌あり、楽器演奏あり、そんな中ルルーシュ達のクラスは演劇だった。
「綺麗だったよ、ルル! ロミオはカレン!」
「これでカレンに女の子ファンがついたのよ~」
結果的に学園祭での一番の目玉になったのが「ロミオとジュリエット」だった。配役が知らされていた訳ではないので、最初にロミオが登場した途端に女の子の黄色い叫びで講堂が揺れたという伝説が生まれた瞬間である。続いて現れたジュリエットに今度はどよめきが起きた。
「どよめき?」
「ルルちゃんが完璧だったの。まず誰かわからなくて、わかった途端に雄叫びと絶叫」
その後はもう見つめ会うたび、手を取り合うたびに悲鳴、悲鳴、悲鳴。
「あれが盛り上がりすぎちゃって、その後のクラスが悲惨だったわよ。これも最終に持ってきた方がいいかしらん?」
「会長……楽しまないでください」
「馬鹿者! 学園祭とは楽しむためにあるのである!」

それは正論だとは思うのだが。








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