ずっと君をさがしてた 56.

うだうだ












「……先輩のジュリエット」
「お前、まだ言ってるのか」
見たい、見たいと騒ぐスザクの前にミレイがぶちまけたのは昨年の学園祭でのルルーシュだ。
「だって、あんな綺麗な先輩! 僕以外に見せたくないのに!!」
本当に綺麗なジュリエットだったのだ。
そりゃあ、前に見たドレス姿も女の子なんて勝ち目のないとびきりの美人さんではあったけれど、儚くて守ってあげたい感一杯のジュリエット…………。
「カレン先輩が去年の高等部の学園祭、ぜっっっったい!に来るなってわざわざ中等部まで言いに来てさ。これは何かあるに違いないと思ったのに、ジノが……」

『カレン先輩の言うことは守らなくちゃいけないだろう!?』

とか言いはって、スザクやアーニャ達を足止めしまくったのだ。
「もう、こんな先輩見たら僕、即落としに行ってたのに! 一年損したあ~~」
「…………」
残念がるスザクには悪いが(カレン、グッジョブ)と思ったルルーシュである。全く考えていなかったシチュエーションだ。何せ去年の学園祭なんてもう自分のことだけで手一杯で、周りに目を配る余裕すらなかったのだ。皆にかつぎ上げられて、半分騙された形で無理矢理押しつけられたジュリエット。だが、ルルーシュの性格上、だったら手抜きでとは考えることが出来ず、完璧に“演じてしまった”のである。それがまたとんでもない大騒ぎに発展していったのだが。
(……そうだ、中等部なんだから観にくる可能性もあったんだった……)
ルルーシュ計画ではとにかくすべての目標はあの入学式だった。その前にスザクに見つけられたら計画は全てパー。
「でもいいや。誰も落とせなかった先輩を落とせたってことだし」
あれだけの美人、スザクが現れるまで落とそうとした人物はいなかったのだろうか。いや、いたはずだ。今だって狙っている奴がいるのだから、相当なものだったはず。でも、誰のものにもならずに今、ルルーシュはスザクの隣にいる。そんな先輩に近づいて、ちゅ、と音を立ててキスをした。
「……え、あ……ええと」
あれだけ練った計画もうまくいったとは到底言えない代物に成り果てたのだから、あの時見つかっても良かったのではないかとちょっと思ってしまったルルーシュである。その時点で負けだよね?



「ジノくん! 動かないで。針刺すよ!?」
「刺しちゃっていい」
「おい、アーニャ!」
シャーリーは椅子の上に乗って、採寸中だ。周りではクラスの女の子達が取り囲む。
「シャーリー先輩、フリルとかいっぱい付けたいんですけど!」
「舞踏会はやっぱり華やかにしなくっちゃ!」
「おーーーまーーーえーーーらーーー」
そんな光景を眺めながら、教室の隅っこに座り込んでスザクは膝を抱えている。
───オレが練習に付き合ってやろうか?
大好きな先輩が練習相手になってくれるって言ったけど、それは先輩がシンデレラで僕が王子様になって…………。
スザクは台本を手にがたん!と立ち上がる。
「そうなんだよ! 練習はいいんだよ! 本番がこのシンデレラだと僕がいくら格好いい王子様やってもコメディーだよ!?」
クラスメイトが「何を言っているんだ、お前」という目で見ているのだがスザクは一人で突っ走る。
「先輩がシンデレラだったら、即攫うのになあ。のんびり踊っているから駄目なんじゃない? ちんたらしていないで、その場で押し倒せばいいじゃん」
実力行使、力ずく。舞踏会など無視! やってしまえばこっちのもの。 既成事実という言葉はこの為にあるのではなかろうか!
ふうんと聞いていたアーニャだったが、小首を傾げてスザクに駄目押し。
「わかった。スザクの要望で台本をそう書き換える。思いっきりジノ押し倒して」
「……いいです」
「それじゃ、黙って決められた事をやりなさい」
「………………はい。ごめんなさい」



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