ずっと君をさがしてた 53.

大好き。








部活を終えて走っていけば、約束した通りルルーシュは正門前に立っている。こちらに気がついて、片手を上げたルルーシュは優しく綺麗な笑みを見せた。
「せんぱーーーーいっ!」
スザクはそのまま走り寄ると、すぐさまルルーシュの手を握り込んだ。
「何だ、どうした?」
「んー何でもないよ。先輩にまた会えて嬉しいなあと思って」
「は? 何を言っているんだ。お前部活に行く前にあれだけ散々……」
散々、ランチタイムが二人きりじゃなかっただの、いつものキ、キスが出来なかっただのと文句を言って、その後───……。
「散々、何?」
にまっと笑ったスザクの頭をルルーシュはぽかりと殴る、つもりだったのだが、振り上げたその手をスザクは掴んでそのまま甲にキスをした。
「っ! スザク!」
「先輩、大好き。愛してる。ずっと僕が守って側にいるから」
いきなりそんな言葉を羅列されてもとは思うのだが、ルルーシュは笑って返した。
「当然だ。帰るぞ」
「うん」
スザクも笑い、掴んだままだった手を握り直す。
───ルルーシュ、愛してる。
『今度は、今度は』と焦ったり、『絶対に守る』という義務感に駆られたり、おかしな事に何度も遭遇していたが、ここにきてスザクはストンと迷いを吹っ切っていた。ルルーシュが好き、というその気持ちだけでいいじゃないか。

ルルーシュがいるだけで僕の世界はいっぱいになる。他が入る余地などどこにもないんだ。

「どうかしたのか?」
「何でもない……というか、何かあったような気がするんだけど思い出せない」
特に何がある訳でもないが、スザクは振り返る。帰宅する生徒達が歩いているだけだ。
「まあいいや。どっちにしても先輩より大事なものはないし」
ルルーシュの手を引っ張って帰ろうと言えば、不思議そうな顔をしていたルルーシュも「帰るか」と頷いた。
そんな二人を笑顔で見ていた魔女の存在を、彼らが思い出すことはもうない。

「今度はその手を離すなよ? まったく手のかかる坊や達だ」



スザクは現在とんでもなく大事なことを思い出していた。さっきまで「あれ、なんだったけ?」なんて考えていた事なんかどうでもいい。

マズい!このままでは先輩、家に帰っちゃうよっ!?

帰宅するのは当たり前なのだが、今日は嫌だ。
勉強がわかりませんとルルーシュを家に連れ込む(?)言い訳を昼休みに生徒会室で使ってしまった為、また新たに何か策を練らなくてはいけない。

ミレイ会長のばかーーーーーっ!! 二人きりの昼休みも奪うし、放課後いちゃいちゃタイムも奪うし、もおおおおおっ!

さてどうする。今夜は道場の日だから「夕飯作って?」は使えない。 普通なら駅まで送って別れるのだが、何せ今日は先輩不足。もっと一緒にいたい。
「うーん……」
考え込んだスザクにルルーシュが顔を向ける。
「まだ何かあるのか?」
「……あ、ううん」
そうか、と歩き始めたルルーシュだったが、ふと顔を上げる。
「スザク、お前明日は練習無いな?」
「え? あ、うん」
「明日の放課後買い物に付き合え。米を買うんだ、荷物持ちで付いてこい。夕飯はウチで食べればいいだろう?」
途端に嬉しそうな顔をスザクはルルーシュに向ける。
「泊まっていい? 泊まっていい?」
そんなお楽しみが待っているなら、今日のところは引き下がれる。
「…………お、親はいないから、」
マリアンヌママの出張に一緒に出かけたパパである。たかが二泊三日の出張にごねてごねてごねまくったパパに、ママが折れた。 ラブラブ夫婦もここまでいくと大変である。
「ナナリーは?」
ナナリーは両親がそろって出張、と聞くと、兄にこう言ったのだ。
「お兄様、私、神楽耶ちゃんのところでパジャマパーティー してきますね。スザクさんにごゆっくりって伝えてください」

「……いい妹さんだね……」








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