ずっと君をさがしてた 59.

委員長アーニャ、副委員長は。










「困った」
アーニャとクラスの女の子たちが、うーんと悩んでいる。
「全然可愛くない」
「仕方ないよ、でもどうする?」
そのメンバーにジノが叫ぶ。

「そんなの最初からわかりきっているだろうが!!」

何が困ったかというと靴、である。そりゃ身長2メートル近いジノに女装させようなんてことがそもそもの発端であるのだが、アーニャを始めとした女の子たちはそれは認めていない。
ジノがシンデレラ。
彼女たちの中ではこれは決定事項なのだ。
「シンデレラって小さい靴だったんでしょ?」
「そうそう、それで靴に足をいれるためにいじわるなお姉さんは踵を切り落として入れようとしたんだよね~」
「やーん、なにそれ。そこまでして王子様と結婚したかったってこと? セレブ狙いでもそこまでやるとひくなあ」
アーニャがくるん、とジノを見る。
「ジノも踵カットする?」
「するかっ!!」
ジノ、靴のサイズ30センチ。こんな大きな女性用の靴はすぐには手に入らない。だからといってスニーカーを渡されたスザクは困惑の表情を浮かべている。
「あのさあ、僕こんなの落とされても探しに行く気ゼロだよ?」
大体、どうやったらスニーカーを落としていけるのか。
「上手に落としてよ、ジノ」
「何? 脱げなかったら俺のせいになるのか!?」
クラス全員がうんうんと頷くのを見て、ジノはふざけんなと騒いでいるが、ジノをシンデレラに抜擢した時点でおかしいのだから、ここにきて修正が入るなどとは考えない方がいい。その上、一人ハイテンションで演出を担当しているのがいるので一体どう転ぶのかさっぱりわからないのである。
そのクラスメートの名を朝比奈昇吾、という。

生徒会室の机に疲れきった様子で突っ伏しているスザクを、全員が珍しいものでも見る目で眺めている。テスト期間であってもここまでの疲労はみせないだろう。どちらかと言えばその期間はルルーシュの方が疲れていることの方が多い。それは決してスザクの出来が悪くて教えるのが大変で疲れる、ということではなく、ただ単に試験期間は部活も休みになるのでスザクにいちゃつかれる時間が増えてルルーシュ負担が大になるとそういうことである。そして、スザクに関しては学習能力が皆無なルルーシュなので『先輩、この問題がんばって解いたらキスしてくれる?』『ああ、いいぞ』なんて安請け合いをして、結局貪り尽くされる羽目に陥る、という訳だ。
「おい、スザク。大丈夫か?」
「…………全然大丈夫じゃない」
ぼそぼそと呟くように返事をしたスザクだったが、今度はがばっと起きあがる。
「あの副委員長、一人で勝手に燃えててさ、煩い!」
とにかく、それは動きがおかしいだの、セリフに感情がこもっていないだのと煩いことこの上ない。
「学園祭の劇だよ? 完璧求める方がおかしいよ。しかもあの配役!」
どう転んでみたところでどうしようもない。開き直って笑いをとる方向でいけばまだマシなのに、一体何を求めているのか。
「あんのぉ副委員長!!」

その頃の朝比奈くん。図書館でさらなる演出練り。
「そうだ、ここでワンシーン増やそう」
ノリノリである。





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