ずっと君をさがしてた 63.

開幕。










なんといっても、シンデレラだ。「シンデレラストーリー」という派生語まで生んだ、女の子達が夢見るお話。惨めな境遇から、魔法使い(妖精?)の一振りで綺麗なお姫様に大変身。舞踏会で王子様に見初められ、その後どたばたがあっても最後はめでたしめでたしのハッピーエンド。

「どう考えても惨めなのは俺だろう!? これ以上の扱いはないぞ!」
ドレスを持ち上げてガニ股で移動しているジノはさっきからぶつぶつ言い放っしだ。そんなジノを見て、副委員長はぎりっと眼鏡を押し上げる。
「ヴァインベルグくん、君ね文句ばかり言っているけど、そのせいで僕の演出をめちゃくちゃにしないでほしいね」
そういう朝比奈くんの演出だが、本人は頑張っているのだろうけれど、どうにもこうにもその勢いが空回りしすぎて持ってくるアイディアは片っ端から女の子達から却下された。だがまあ、朝比奈くんは演出家気取りであるので、その辺はアーニャがうまく立ち回って本人のプライドは傷つかずに済んでいる。

いっそ、ずたずたに傷つけばいいのに。

とはスザクの内心の本音である。何せこの話が持ち上がってからこちらはずっと振り回されっぱなしなのだ。しかも延々とハイテンションの状態で、はっきりいって大・迷・惑!

出番が近づき、舞台に向かっているというのに、ジノは未だブツやいている。
「ったくさあ……」
「君も男なんだから覚悟決めて欲しいね」
「決められるモノと決められないモノがあるだろうがっ!」
「決断力がないから失恋更新してるの」
レースいっぱいのふわふわ衣装に魔法少女の杖を持ったアーニャがぽつりと呟く。ジノのシンデレラは笑いしかとれないが、アーニャのこの姿はクラスの男子共を萌え死にさせていた。シャーリーの傑作である。その2人に比べてスザクの衣装といえば本当に普通だ。どうせならカボチャパンツくらい用意してもらった方が、徹底的にコメディで済むのになあと思うのだが、スザクだけが普通というのが女の子の中ではポイントらしい。
「いいね、君たちが至極真面目に演技してこその舞台だから。その辺りを頼むよ」

とはいってもだ。この面子で、この役で、この衣装。


ブー。幕が上がる。


「シンデレラ、床も磨いておくのよ?」
「はーい、おかあさま」
頭に大きなリボンをつけ、巨体なシンデレラが動く。
それだけで客席から笑いが起こる。その上、舞台でいきなり開き直ったのか、ジノが箒をもったままタラリラーンと踊っているのだ。しかもガニ股で。
「あーわたしも舞踏会にいきたいわあああ」
「仕方ない」
現れた魔法少女に今度は違う叫びが客席から起きる。その叫びを聞いて、スザクは「アーニャのFCが出来たな」と呟いていた。
「行かせてあげる。ピピルマ ピピルマ プリリンパ」

さっと暗転。ここでドレスのシンデレラが登場しなくてはならない。
「あ、バッカヤロー、引きちぎるな! うわ、どこ触ってんだ、バカ」
「ジノ、煩いっ!」
丸聞こえである。
ようするに舞踏会用のドレスの上に、小間使い用のドレスを着ていたので、マジックテープで止められたぼろドレスをはぎ取らないといけないのである。しかし、これがピッチピチ状態なので脱げない。だが、時間がない。
かくして、半分脱ぎ状態のシンデレラがライトの中に浮かび上がることとなる。

「……アーニャ、僕、あれと踊るの?」
「そう。スザク頑張って」

そして、王子様登場。竹馬で。




****
「ピピルマ ピピルマ プリリンパ パパレホ パパレホ  ドリミンパ アダルトタッチでシンデレラになーれ」

シャランラの方が良かったかな(笑)いや♪マハリクマハリタ ヤンバラヤンヤンヤン。  



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