ずっと君をさがしてた 64.

幕は下りたが。








結局のところ、シンデレラは大盛況で幕を閉じた。

「なんで僕がジノの服を脱がさなくちゃいけないんだよっ!」

僕は先輩の服しか脱がさないって決めてるのに。

スザクはぶつぶつと怒っているが、それがウけたのだから仕方ない。

───せっかくシャーリー先輩がたっぷりのレースを縫いつけたドレスにしてくれたのだから、何とかしろ。

という訳のわからない任務をクラスの女の子達と副委員長から与えられたスザクは、竹馬を操ってジノの「つぎはぎだらけの服」をはぎ取ったのだ。片足だけ乗ったままバランスを取りつつ、もう片方を剣の如く操る。さすが、剣道部!という声もあがったのだが、それに要らんこと合わせたジノが「いや~ん」なんて言い出すものだからおかしな方向へ走っていく羽目になったのである。
「あのまま普通にしてくれれば良かったんだよっ! ジノの馬鹿!」
「何を言う。いいか徹底的にコメディにしないと俺が浮かばれないだろう!」
その大笑いの勢いで最後まで突っ走った。ガラスの靴の代わりに出てきたのが30センチのスニーカーだろうが、関係ない。
「いっそ毒リンゴでも食べさせれば良かったんだ……そうしたらそのまま放っておくのに」
「ほったらかしかよ! しかも話変わってるぞ!」
「いくらタイプだからって死んだ人間運んだりしないよ!…………先輩なら…………」

そうだ、あの時だってそのまま運んじゃえば良かったんだ。

「って……あれ? うーん、まあいいや、とりあえずジノの馬鹿!!」
「喧しい! どうなろうとシンデレラなんだから俺が主役! 主役だから俺が決める!」


「黙れ。人気投票で一番だったんだから文句言わない」
ぎゃんぎゃん騒いでいるスザクとジノを黙らせる為、イスにガン!と片足を乗せたのは、実のところ今回一番人気だった魔法少女アーニャである。舞台終了後に親衛隊が結成されており、新しい衣装について現在シャーリー及び生徒会と交渉中だ。生徒会が関わったことで派手なイベントが催されることは期待出来そうだが、何か裏で取引が必要なことは間違いない。
「さてと」
スザクは立ち上がる。スザクにはこれから大事なことがある。それはルルーシュの執事服の確保だ。といってもすでにシャーリーには約束を取り付けてあるので、受け取りにいくだけだが、スザクが口にした「執事プレイ」の言葉で何とか隠そうと躍起になっているルルーシュの姿は容易の想像できる。
「何かしてるかな?」

生徒会室には後かたづけで皆が残っていた。
「あら、スザクくん。そっちは終わったの?」
「終わりました」
「シンデレラ、面白かったじゃない。あ、アーニャちゃんのことは任せて」
ということはすでに取引開始か、とスザクは苦笑したあとで、部屋を見回すと、予想に反してルルーシュは不敵な笑いを浮かべていた。
「先輩?」
目の前には綺麗に畳まれた執事服、一式。
「あ、やっぱり凄いなあ。先輩、これ着てさあ、」
「スザク、執事ごっこがしたいんだよな?」
うん、と頷くとルルーシュは勝ち誇ったような笑みを見せた。
「それではお前が執事ということでどうだ?」
「えー、僕が?」
しばし考え込んでいるスザクを前にしてルルーシュは内心「よしっ!」と拳を握る。これで主導権は握ったも同然。適当に命令して遊んでやれば気が済むだろう。スザクを主になどしたら何を命令されるかわからない!(Oui, monsieur 参照・笑)これで完璧、フハハハハハハ。

だが、相手はスザク。
「いいよ、じゃあ僕が執事ね。思いっきりご奉仕してあげる」
「へっ!?」
スザクはゆっくりと頭を下げる。
「お任せください、ご主人様」

墓穴。








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