ずっと君をさがしてた 66.

ヘタレ登場。









いくらスザクが頑張って威嚇し続けていたとしてもモノには限度というものがある。それは例えば学年もクラスも違う為に授業中には側にいることはできないし、自宅に帰った後にまで監視は出来ない。
いつものように朝遅刻ぎりぎりで走り込んだスザクが見たのは、高級車からおりてくるルルーシュの姿だった。わざわざ運転席から回り助手席のドアを開けたのは背の高い髪の長い男で、ルルーシュに手まで貸している。
「……先輩?」
先輩の白くて綺麗な手は僕のなのに!
だが、その男はあろうことかルルーシュの手をそのまま握りしめた。
「っ! 先輩!」
「ああ、スザク……っと痛いだろう、星刻!」
星刻と呼ばれたその男はそのままルルーシュの両手を握りしめたまま真剣な表情を見せていた。
「いいか、帰りも迎えにくる。いいな、ルルーシュ!」
「…………わかったから」

もやもやもやもや。

そんな訳でスザクは膨れっ面のままこうして授業を受けている。即座に聞き出そうとしたのだが、遅刻ぎりぎりの為にすぐに予鈴がなる。予鈴の時間に登校したことなど皆無なルルーシュは当然早く行けとけしかけるし、タイミングが悪いことに、門で生徒を追い立てていたのはダールトンだった為に「枢木! 早く行かないか、遅刻にするぞ!」と指示される。このままルルーシュも連れてフけよう、とはこの先生に見られたあとでは到底無理な話だ。教室も階が違うために早々に別れてしまうことになり、詳細は一切不明のまま。

もやもやもやもや。

誰だよ、あの男。結構年上っぽいし、あんな車なんて乗ってさ。しかも「ルルーシュ!」だって。気安く僕の大事な先輩の名前呼ばないでよね。手まで握るし……そうだ、迎えって言ってた!先輩連れていくってこと!?
「今日は道場が無い日なのにっ!?」
「喧しいぞ! 枢木!」
ダールトンが投げたチョークは珍しくスザクの頭に命中する。いつもなら片手でキャッチして、クラスメイトからやんややんやと大喝采を受けるところだ。もれなくダールトンからの拳骨も副産物としてつくところまでが一連の流れなのだが、今日はそれがカコーンと大当たりする。
「……枢木、どうした具合でも悪いのか?」
当たったら当たったでこう聞かれるのだから、どっちがいいんだよという感じではあったが、今のスザクにはそんな余裕はない。
「いえ、大丈夫です。すみません」
その返事にクラスメート達もホントにお前大丈夫か?という顔をしている。なにせ、いつもの大きなおにぎりもないのだ。ルルーシュがスザクの為に握っている早弁用のあれ、である。本人は食欲すらもないという状態のようなので無くてもいいだろうが、一種の恒例行事と化している周りとしては何もないのは非常に気になる。
スザクはぺこりと頭を下げると、そのまま窓からグラウンドを眺める。ちょうどこの時間はルルーシュのクラスは体育で、愛しの先輩を眺めることが出来る貴重な時間だ。

ルルーシュ自身には特に何も変わった様子は見られない。

運の悪いことに、一週間の中でも今日はスザクもルルーシュも時間割が移動教室ばかりで、休み時間にちょっと覗くなんてことが出来ない日だ。しかも、早弁用のおにぎりだけではなく「悪い、弁当もない。学食か購買で何とかしてくれ」というメールを受け取ったばかり。ということは、至福の昼休みも無いということになる。スザクのテンションは下がりっぱなしだ。
そして、授業後、駆け込んだ教室にはルルーシュの姿はもうなかった。
「カレン先輩、ルルーシュ先輩はっ!?」
「か、帰ったわよ」
その後の剣道部では、スザクの黒い笑みが君臨していたという。


ルルーシュは星刻の車の助手席でこれまた膨れっ面をしている。スザクに一言伝えようと思っていたのに、この馬鹿が学校の正門にぴたりと車をつけて、今か今かと構えているのが見えたからである。 放置しておけばどれほど被害を被ることになるのか分からない為、即行で教室を出た。
「いいか、オレにはオレの予定があるんだ!」
今日はあいつとまともに顔を合わせていない。弁当すらも作れなかった。これもそれもこの馬鹿が昨夜から騒いでいるからだ。
「お前の相手はそんなに心が狭いのか? 一日二日くらいいいだろう」
平然と言ってのけるこの男にはそんなことを言う資格などこれっぽっちもない。
「ふん。好きとも言えないような馬鹿とは比べ物になるか」
オレのスザクだぞ!?
星刻はふむ、と呟くとルルーシュに体ごと向けた。
「好きだ、好きだ、好きだーーーーっ。ほら言えるぞ」
「お前はやっぱり馬鹿だああああっ!」

言っておくが、まだ学校正門前。




****
アンケート有難うございます。現時点でも吹き出すような結果が(笑)

「甘いな、アラサー騎士」

そうですよね……って、ルル様勝手に集計しない!





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