ずっと君をさがしてた 74. 完結

見つけた。









元気よく空の茶碗を差し出すスザクに、ルルーシュは苦笑しながらも炊き立てのご飯をよそってやる。もちろんてんこ盛り状態だ。言っておくが、昼食もルルーシュが用意した重箱弁当をきっちりと平らげている。
「……まだ入りそうだな。チーズオムレツでも作るか?」
皿の上のデミグラスハンバーグを頬張ったまま、こくこくと頷けばルルーシュは立ち上がって冷蔵庫を開ける。もうすでに勝手知ったるスザクの家。どこに何があるのかは把握済み。いつでもお嫁に来てもらえるなあと、フライパンを温めているルルーシュの後姿をスザクは眺めている。
近いうちに挨拶してこよう。先輩を貰っちゃっていいんだよね?僕一人っ子だしなあ。
そんなことをつらつらと考えていると、湯気の立った黄色いチーズオムレツの皿が目の前に出される。
「ほら」
「うわあ、美味しそう!」
いっただきまーす、と箸を入れたオムレツはふわふわだ。嬉しそうに食べるスザクを見てルルーシュも笑顔になる。
「しかし、よく食べるな」
「そりゃそうだよ。先輩を愛するのは全力だからね」
にっこり笑顔でそんなことを言われてしまっては、ルルーシュはどうしたらいいのかわからない。
「オ、オレだってお前には全力で立ち向かっている!」
負けてなるものかと発したセリフが相手を煽ることになるということは、相変わらずまったく頭になく、再度散々揺すぶられてからおかしいとようやく気付く。
「先輩、全力で立ち向かってね?」
だが、その欲に駆られたスザクがまたカッコいいなんて思ってしまうあたりが、もうどうしようもないのである。
「ルルーシュ、好き」
「ん、オレもっ、あっ、あっ、そこばっかり、責めるなあっ……」
バカップルは終わらない。



「ハロウィンパーティーをするわよっ!」
生徒会室で高らかに宣言したミレイだったが、生徒会執行部全員はミレイを見た後で「そうですか」と答えただけだ。
「ちょっと、皆? ノリが悪いわよ? ほおら、アーニャちゃんのイベントもあるし、ちょうどいいでしよって、ねえ聞いてる?」
ルルーシュはやれやれとミレイに説明をする。しかし、その説明は長々と続くものではなく、一言で済む内容だ。
「会長。中間テストです」
あっ!という顔をしたミレイは、てへっと舌を出した。
「忘れてた」
忘れていたのかっ!!

スザクは必死だ。剣道部の秋の大会もあるから、そっちも頑張らないといけないし、その上試験の成績を落とす事も出来ない。
「こんな事なら、前からもっと勉強しとけば良かったなあ」
「でもお前頑張っているじゃないか」
そういって笑う大好きな先輩をスザクは見る。スザクの勉強を見てくれるルルーシュは「テストの為の勉強などしない」というスゴい人だ。必死になって教科書にしがみついているシャーリーやカレン、ノート貸してくれ!と叫ぶリヴァルにもルルーシュは不思議そうな顔をしていた。
「普段からやっておけばいいだろう? テスト前に詰め込んだところでたかが知れているぞ?」
確かにそうなのだが、それが出来ないから苦労しているのである。
スザクはスザクで、最近は課題も片づけるし、予習復習も欠かさない。おかげで長期出張から帰ってきた父親に酷く驚かれ、その全ての要因がルルーシュ先輩にあると聞いて、にんまりと笑っていた。その笑いがどうにも気に入らなくて、先日久しぶりに親子でプロレス技の掛け合いをしてしまったほどである。
「先輩! ここ、この解釈であってる?」
「どれ」
ノートをのぞき込むルルーシュの横顔は本当に綺麗だ。細い指先が黒髪をかき揚げる仕草はいつ見てもドキドキする。
「うん、あってる。基礎がついてきたな」
「やったーっ!」
スザクは次の問題に取り組むべく、テキストを開く。そう、スザクはすっかり忘れていた。永遠にこの高校生活が続くわけではないのだ。この先には大学もあるし、社会生活も待っている。共に歩みたいと思えば、ルルーシュと同等レベルにまで自分を引き上げておかなくてはならないのだ。自分のレベルではまだまだ確実に足りない。ルルーシュにふさわしい男にならなくてはいけない。
大好きな人と一緒にいる為に頑張ることを、努力なんて言わない───夢を叶えるって言うんだ。
「先輩」
「んー? どうした?」
「大好き」

一瞬、生徒会室が揺れたと思う。

「きゃああああああっ!! シャーリー、聞いた? 聞いた?」
「き、聞きました会長!」
「スザクー、お前場所を考えろ!」
大騒ぎの中で、しばらく黙ったままだったルルーシュだったが、ふっと笑みを浮かべた。
「当然だ」
再度、揺れる生徒会室。ミレイの頭の中ではこの2人で遊ぼうイベントが企画され、シャーリーは複雑な思いを抱えつつも楽しむ割合が増えていく自分にさらに複雑な思いを抱え、リヴァルはこの馬鹿どもをなんとかしたい、なんとかしたいと呪文のように唱えている。

そんな生徒会室の皆を眺めながらスザクとルルーシュも笑い出す。
「僕さ、ずっと先輩を探していたんだと思うんだ」
「奇遇だな、オレもだ」
特別に何かあるわけではないけれど、笑顔で幸せで、こんな世界にずっと一緒にいたいと思うのはお互いにこの相手だけだ。
「ルルーシュをようやく見つけたんだね」
「離すなよ?」
「うん!」
「だから、お前ら2人の時にやれっ!」


僕らの明日が始まる。




******
完結です。有難うございました。こんな幸せを2人に。

そして、17歳殿下再開します。ふふふ。



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