レギュレータ regulator 77.

世界で一人だけ。












「紅蓮、なんでここに」
カレンと共に鹵獲されたとは聞いていたが、きっとシュナイゼルが管理しているに違いないとそう思っていた。
「いやあ、実はヴァインちゃんが引き取ったらしいんだよねえ」
「ヴァインちゃんが?」
ロイドにゲンブがさらりと答えているが、スザクは一応セシルにヴァインちゃんとは、もしかしなくともジノのこと?と尋ね、苦笑という返事をもらう。ヴァインベルグをそう略する人もこの人だけに違いないし、つっこむことなくそのまま流すのもゲンブだけだ。皇帝に関してもロイドは「皇帝ちゃん」と呼んでいるし、ゲンブは「巻髪のいかついおっさん」と呼んでいる。

こちらにきた経緯としては、ジノが無理矢理紅蓮を引き取ったのだが、何せスペックの違いが大きすぎてジノのチームでは何をどうしたらいいのか分からない状態になったらしい。
「それでね、ヴァインベルグ卿が『あの化け物みたいな二人のKMFを管理しているくらいだから』って、ここに持ってきてくれたの」
「セシルさん、その化け物みたいって……」
「僕たちのこと? ジノって何気に酷いよね」
勝手に持ってきてはまた要らぬ疑いがかけられてしまう為、特務総監を通した正式な形で運びこまれていた。少し前ならこんな事罷り通る国ではなかったはずだ。
───内部も少しずつおかしくなっているのかもしれない。
でも、とセシルは紅いKMFを仰ぎ見る。
「……実は助かったなと思っているのよ。カレンさんのシミュレーションの結果を見ていても、優秀でしょう? こちらで装備させたいと考えていたものがあるから」
それを抜きで飛び跳ねている人がいるけど、とセシルは後ろで大騒ぎしているロイドを眺める。
「あなた方の前に、シュナイゼル殿下がみえたのよ。でもロイドさんがあの状態だから、どうみても芝居にはみえないでしょ?」
ロイドは大興奮のまま設計図を広げてみせ、ゲンブとスザクのKMFマリスとランスロットに積み込むエナジーウイングを、まずこの機体で試作してみたいと説明していたという。

「失敗したところで、敵側の機体ですからねぇ」

「……って言ったんですか……」
「そうなの。さすがのシュナイゼル殿下もそれを言われたら、ねえ?」
ゲンブとスザクは顔を見合わせる。こちらも苦笑するしかない。
「でも、どこに持っていっても紅蓮は敵側になるのは間違いないだろうし……」
「ここに持ってきたのが一番正解ではあるよ」
ルルーシュはカレンを絶対に助け出すと言っていた。その際にカレンがここから抜け出す手段が必要となる。それに、機体を詳しく調べられたら───出先が特定されるおそれがある。そんな情報が、例えばルキアーノのところにでも出たらいったいどうなることか。
「カレンの位置の割り出しを咲世子さんに頼んであるから、もう少しで何とかなると思います」
そうねと頷くセシルの後ろから、先ほどまではしゃいでいたロイドが顔を出す。
「何とかしなくちゃいけないのはボクらもじゃないかな」

転換期に入っているのは間違いない。ただ、タイミングが問題だ。
コーネリアに全部話してしまおうと思ってるという意見に、ロイドとセシルも同意を示した。少なくとも現在のブリタニア皇族の中で、シュナイゼルと同等の支持を持っているのはコーネリアだけだ。他のメンバーでは話にもならない。その上、コーネリアは『ブリタニア軍のTOP』といっても過言ではない。コーネリア本人のカリスマに加えて、腹心のダールトンやギルフォードの存在も大きい。
そして、それは当然のことだがルルーシュにも伝えられた。ルルーシュはしばらく黙った後で、スザクにこう言った。
「スザク、姉上をここに連れてきて欲しい」
あれこれ説明するよりも、それが一番分かりやすいのは確かだ。とはいっても、先ほどから続いているコーネリアの怒りはすぐには収まりそうにもない。

「ルルーシュ、お前はいったい何を考えているんだ!」

先ほどから枢木兄弟の館の通信室ではコーネリアの怒る声が響きわたっている。ゲンブとスザクはコーネリアの忠臣二人と、さてどうしたものかと顔を見合わせるしかない。最も、この双子もダールトン将軍から拳骨を頭にくらったばかりだ。
「こんな危険なことをたかが数年、齢を重ねただけのひよっこが何をしているんだ! 枢木首相は止めなかったのか!?」
「……父は止めました」
「でも僕たちは、」
そこでガンと頭にくらった。
「いいか、これはブリタニアのダールトンとしてではない! 俺は現在息子をもつ父としての怒りだ! 枢木首相の代わりでもある!」
しゅんとうなだれる二人の後ろでは、モニターに映る弟に向かって怒鳴りまくる姉。
「ルルーシュ! お前は私やユフィがどれだけ心配していたと思っているんだ!」
世界中に一人だけなんて、そんなことは絶対にない。
「……すみません、姉上」
素直に謝るルルーシュに、コーネリアの怒りも長くは持続しない。弟が生きていたという安堵感は、怒りを上回る。とはいえ、何度も煮え湯を飲まされた相手のリーダーが弟たちであったというのは、全く別物の腹の立つ出来事らしい。
コーネリアから小言を重ねられたルルーシュに助けを求めるような視線を送られてダールトンは、小さく咳払いをしてからコーネリアに「姫様、その辺でいかがでしょうか」と声をかける。
「時間もございませんし、何しろ得なければならない情報は山積みでございます」
「あ、ああ、そうだな。そうだ、ユフィを救出した兵からの話に追加があった」
「追加ですか」
コーネリアはモニターの中のルルーシュと、後ろに立つゲンブとスザクをぐるりと眺めた。
「ユフィは助けようとした兵に一言だけ告げたそうだ。それが『ゼロもいた』という言葉だという」
「……ゼロも……」
ゼロだけではなく、他にも誰かがいた。それは暗殺されかけた皇帝にかかる言葉ではないだろう。となると他に思い当たる人物は一人だけだ。





***
昨夜はB’zのLive GYMでございました。
B’zLive歴10年の高校2年生と、B’z初参加(SMAP、嵐は経験済み)の小学6年生を連れた、ファン歴25年の母(笑)しかし疲れた……暑かった……。
昨夜で次男の中の「嵐、大好き」が崩壊を始めたようです(大笑)まあ、本物を見ると変わるよね、うんうん。
「稲葉くん、カッケ~~~~っ!」とさけんでいる兄弟……。


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