デート(拍手SS)

「レギュレータ」の双子たち








ゲンブとゼロの場合




列車に乗ってみたい。

「え? 乗ったことがない?」
ゲンブの驚きに、ゼロはこくこくと頷いてみせる。
顔だけ出してこいと母からの命令で出席したパーティーの帰り。車が高架下をくぐったその時に、ちょうど上を列車が通過したのだ。
「ブリタニアにいた頃は乗る機会なんて全く無かったから」
まあ、そうだろうなとゲンブも思う。反逆の黒の皇子たちとして扱われていたのだ、そんな事はなかっただろう。
「いいよ、じゃあ今度どっか遊びに行こう」

カタタン、と揺れる電車の中、当初降りる予定であった駅が過ぎ去っていくのをゼロは眺めた。栗色のくせっ毛が肩の上から離れていくのが淋しくて、起すのをやめてしまったのだ。
(疲れているんだろうな)
ゲンブが人知れず努力していることをゼロは知っている。それをゲンブは外にひけらかすようなことをしない。
(だから知っているのはオレだけでいい)
郊外へと向かう電車は、気づけば乗客もまばらで、差し込む日差しも窓の外の青空も気持ちがいい。重ねられた手を握って、ゼロも黒髪をそっとゲンブの髪にもたれかけさせる。
このまま電車で過ごす午後も悪くない。起きた駅を目的地にしてしまう、こんなデートもたまには有りだ。




スザクとルルーシュの場合



2人でなんとか宮殿を抜け出して植え込みの陰で笑いあう。
「大丈夫かな?」
「大丈夫だろう。捜すなと置き手紙はしてある」
そうやって書くと余計に捜されると思う、とは思っても口には出さないスザクだ。
『スザク、抜け出さないか?』
そう言い出したのは現ブリタニア帝国皇帝である。そして皇帝は騎士の手を引っ張って脱走を試みた。その計略は成功し、皇帝と騎士はただの恋人同士として街の中を散策中である。しかしながら脱走とはいえ、やるべきことをやってから抜け出すのは、本当にルルーシュらしいなと隣で嬉しそうにしている最愛の恋人を眺めてスザクも笑う。
「今度は僕が計画立てるよ」
「大丈夫か?」
何しろ皇帝を連れ出すのだから、そう簡単に事は運ばない。
「細工は流流、仕上げを御覧じろ」
ルルーシュはクスと笑う。
「我が騎士のお手並み拝見といこうか」
「お任せください、陛下」
仰々しくお辞儀をしてから、スザクはにっこり顔をあげてルルーシュの手を握る。
「さあ、遊びに行こうよ」
その頃、宮殿はパニック中。皇帝と騎士がデートするたびに皆が振り回されているブリタニアである。






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