Knight named the eternity


everlastingの続きです。








 森には魔王が棲んでいる。

「らしいよ」
 スザクは両手で抱えていた大量の荷物をテーブルにのせた。興味なさそうに「ふうん」と答えたルルーシュは、そんなことよりスザクが買ってきた荷物チェックに余念がないらしい。
「スザク……お前これは何だ。リンゴは買い物リストに入れてないはずだ」
「ああ、それ? それはお店のお姉さんがサービスって入れてくれたんだよ」
「……またタラシたのか」
「人聞きの悪いこと言わないでよルルーシュ」
 明らかにジェラシーの炎を燃やしているルルーシュと、それに気づいているくせにわざと気づかない振りをしてルルーシュの反応を楽しんでいるスザクに、C.C.は高らかに宣言をした。

「しばらく一人で回る」

 C.C.はそれだけ言うとさっさと荷物を纏め始める。家事能力が半端ないルルーシュといると任せっきりのC.C.だが、実はなんでもこなせるので問題はない。
「C.C.大丈夫なのか」
「二手に分かれて回った方が効率がいい」
 と言うのは完全に口実である。シャムナの砕け散ったギアスのかけらは世界中に散らばり、名前を「L.L.」としたルルーシュとC.C.が回収していたが、ある時からそれにスザクも加わった。最もその前からゼロとしての任務の合間に顔を出していたスザクだったが、一人になったことでこちらに移ってきたのだ。
「でもC.C.、結構厄介な案件もあったから危ないよ」
 確かにスザクの言うとおりではある。人が人である限り、欲や嫉妬は消えることはない。ギアスのかけらの多くはそういう部分に反応していることが多かった。故に危険な目にも多くぶち当たる。そういった場面にさっと片づけてくれるのがスザクだった。スザクもまた表向きは「K.K.」という名を使っている。これはルルーシュが「枢木のKと騎士──knightのKでK.K.」なーんて名付けるものだから、この遙か昔からルルーシュの騎士でありたかった男を小躍りさせ、張り切らせてしまっているのだ。いや、張り切るだけならばさほど問題ではない。何が問題かというとこいつらは隙あらばいちゃいちゃしまくるという厄介な主従でもあるのだ!
(全く、自覚があるのかないのか)
 はっきり言ってルルーシュは無自覚の可能性が高い、いやきっとそうだ。昔っから頭はいいくせに、へんなところが鈍くて、どうしようもない奴だった。ある部分においてだけ学習能力が全く無いのだ。スザクは肉体的反射神経と比例するかのようにルルーシュ限定で突き抜けた能力を発揮する。ようするに似たもの同士という奴なのだろう。双方初恋をこじらせた結果ではないかと分析していたのはルルーシュの妹のナナリーだった。
(この状況を理解してくれる存在は本当に有り難かった)
 大きなリュックを背負ったC.C.が振り返った。
「では私は行ってくるから」

「気をつけろよ」
「行ってらっしゃい」

 ルルーシュとスザクにそう声をかけられたC.C.は一度目を見開いてから、なにやらもごもご言いながら扉を閉めた。その閉まった扉を眺めるのはルルーシュとスザクである。
「……すぐ帰ってきそうだな」
「一ヶ月くらいじゃない?」
 二人は顔を見合わせて笑う。時々──これだけ長い間にC.C.が一人で出て行くことは実はさほど珍しくはないのだ。「お前たちが煩い」と言っては出て行くのだが、わりとすぐに戻ってくる。

 C.C.にとって戻る場所があること。

 きっと「おかえり」と自分を受け入れてくれる、戻る場所がある。これはC.C.にとても嬉しいことなのだ。
「スザク」
 ルルーシュが手を伸ばせば、スザクがそっと抱きしめてくれる。C.C.との二人でいた日々にスザクが加わった時から少しずつ変わってきた。
「……やっぱり騎士だな」
「僕にとっては最上級の褒美だよ」
 身辺の守りだけではなく、心や精神も護ってくれる存在。

 魔王の傍らに、永遠なる騎士がここにいる。






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