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スザク誕生日







「もういいっ!」
 それだけ叫んでルルーシュは部屋を出て行った。バタンと扉の閉まる音が大きく響く。
 C.C.はやれやれとため息をつきながら、皿の上のピザに手を伸ばした。
「スザク、あれはやりすぎだろう?」
「そうかなあ?」
 同じくスザクもピザへと手を伸ばす。もう少し時間をおいてからルルーシュを追いかけることにする。耳まで真っ赤になっていたから、きっと怒りよりも照れの方が大きいはずだ。
「お前はわかってやっているから始末が悪い」
「ルルーシュはあれくらいやらないと分からないんだよ」
 C.C.はすぐに次のピザに手を伸ばした。
「C.C.、食べ過ぎじゃない?」
「いや全く。お前こそそれ2皿目だろう?」
「気にしないで。別腹だから」
「お前、どうせ私がいない間はルルーシュの料理を独り占めしてるんだろう? 遠慮しろ」
「絶対にしない」
 黙々と競争のように2人はピザを取っていく。ピザに限らずルルーシュの手料理は2人の争い事の一つだ。
「そういえば、C.C.はあまりピザを食べなくなった?」
 そんなことはない、とC.C.は垂れてきたチーズを舌の先で受け止める。
「何を言っている。さっき食べ過ぎだと言ったのはお前だ」
「ごめん、僕の聞き方が悪かった。ルルーシュの作ったピザしか食べてないよね?」
 言い直したスザクにC.C.は「そうだな」と返した。
「私にとってのピザはルルーシュのそばで食べるものかもしれない」
「うん」
「なんだ、妬かないのか」
「なんとなくわかるから」
「そうか、なら話は早い。私がいない間にいちゃついてくれ。いる間は食事くらいゆっくりさせろ」
「うーん、善処はしてみる。でもルルーシュ可愛すぎるからね、ついつい手が出ちゃうんだよ」
 最後のピザを飲み下し、ごちそうさま、と両手を合わせたスザクはそのまま椅子に背を預ける。
「C.C.」
「なんだ」
 食べ終えたピザの皿を脇に片づけ──ルルーシュに叱られる為──ごちそうさまと呟いた後でグラスを手元に引き寄せたC.C.がスザクを見る。
「ルルーシュは安定してる?」
 C.C.はゆっくりとグラスの水を飲む。
「結論から言うと大きな変化はない」
「そっか……」
 一番聞きたかったであろう点を確認し、スザクはほっとしたような顔になる。
「お前、もしかしてこの話がしたかったからわざとルルーシュを部屋から出したのか?」
「ルルーシュは自分のことを心配しないからね」
 スザクは苦笑する。それがルルーシュの優しさである部分だが、もっと自分をも気にしてほしいと思う。
「どちらかと言えば不安定なのはお前の方だ。ルルーシュはギアス能力者としてシャルルのコードを引き継いだ形になっている。お前はルルーシュからギアスをかけられただけだ……だが」
「だが?」
 いったん言葉を切ったC.C.をスザクの翠碧が見つめる。
「かけられたギアスを自在に操る、というのは私も経験がないからな。お前の安定の方が最優先だ」
 かけられている自覚すらも普通はないはずであるというのに、この男はそれらも全て把握しているのだ。
「……前に……ああ、うん、もう何年も前だ。カレンが僕に聞こうとして止めたんだよ、どんなギアスをかけられているのかって」

 ルルーシュはスザクに「生きろ」と命じた。

「僕はそのギアスにかかったままだ。簡単なんだ、ルルーシュと生きていく、それだけの事なんだ」
 スザクにかけられたギアスはずっと発動しつづけている。
「もし、違うギアスをかけられていたらと考えると、ぞっとするよ」
「何を言っている。お前のことだ、どんなギアスでも都合よく解釈したんじゃないのか?」
 そうかもと笑い、スザクは席を立つ。そろそろルルーシュの怒り──照れが収まってきているころだ。好きと愛してる、君の存在だけが全てと繰り返したところでさっきは怒られてしまった。
「スザク、お前は絶対にルルーシュのそばを離れるな」
「C.C.もね」
 2人の間で暗黙の了解済みで合意されている事柄。それはルルーシュの存在について、だ。結局のところ、この2人にとっての世界とはルルーシュが存在している世界のみが世界なのだから、その世界の中心に関して、最重要項目となるのは必然である。だからこそ、そのルルーシュが必要としている存在、それはC.C.でありスザクである為に、そちらの存在も2人の重要になる。
 結果、この3人は運命共同体となるのだ。それはいわゆる「家族」でもある。
 だから、C.C.はもう一度スザク、と名を呼んだ。
「スザク」
 振り返る少年の面差し、そのままの姿にC.C.は笑顔を見せる。
「誕生日おめでとう」

 家族と共犯者にむけて、心をこめたお祝いを。



***

スザク誕生日おめでとう。今年もあなたにおめでとうとお祝いできることが本当に嬉しいです。


ブログの仕様の急激な変化に私自身もとまどっております。そのうちにきちんとしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
あと、なかなか更新出来ず、すみません!!




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