印象操作

なんとなくの短編です





「手伝うよ」
 教師に頼まれて抱えていたプリントを、女の子の手からルルーシュはさりげなく受け取って歩いていく。
「え、あの……」
 いいよ、とそう微笑んで、ルルーシュが職員室へと向かう後ろ姿を女の子と一緒にスザクは眺める。
 ――優しいよなあ、ルルーシュ。

 次の休み時間には一生懸命黒板を消している女の子から黒板消しを受け取っていた。
「高いところは無理だろう?」
 そう言ってルルーシュはさっさと黒板を消していく。言っておくが日直でもなんでもない。確かに今日の日直の子は背が低くて上の方まで書かれた黒板を消すのは大変そうだったし、ルルーシュは背が高いから消すのはそれほど苦じゃないだろう。
「リヴァルが当番じゃなかった?」
「うわっ、そうだった。ルルーシュ、ごめん!」
 スザクの指摘に本日日直のリヴァルが飛んでいき、ルルーシュから黒板消しを受け取ると消し始める。
 ――最初からリヴァルに言えばいいのに。


「スザク、悪いんだが地図を片付けるのを手伝ってくれないか?」
 歴史の授業で使った地図だ。今時こんなでかいものを運ぶことは珍しいが、教師のこだわりらしい。
「彼女たちでは無理だろう?」
 教師が適当に片付けを頼んだのだろう。確かに女の子たちでは大変だ。
「うん、いいよ」
 スザクは地図を抱え込んで、ルルーシュと教科準備室まで運んでいく。
「……ルルーシュってさ優しいよね。なんか物凄く優しい。こんな重いものまで運んであげるし、プリントは持ってあげるし」
「優しくなんかないさ」
 ルルーシュは元の場所に地図を片付けるとスザクへと振り返る。
「下心満載の計画的行動だ」
「えっ!」
 軽く驚いたものの、そう言われてしまうと少しだけ納得するものもある。
 ――なんだ、女の子たちへと受け狙いかあ。
「おいスザク、勘違いしてないよな?」
「? 何を?」
「だから計画的行動だと言っているだろう? オレは今自分の計画が順調だと知って嬉しい」
「???」
 頭に盛大にクエスチョンマークを浮かべているスザクにルルーシュは笑いかける。
「お前の前でだけの限定だ。印象に残るように行動していた」
 細い指がそっと頬に触れ、スザクは一瞬で硬直状態となる。
 下心満載の計画的行動って!
 確かに頻繁にルルーシュの姿を見るようになっていたけど!
 優しいなと気になってきていたけど!
 なんとなく目で追うようになってきていたけど!
「と、とりあえず友達からでいいですか!」
「却下だ。こちらは下心があると言っているのに、わざわざ友達から始める必要などない」
「じゃあ、結婚前提で!」
「いきなり飛躍したな。いいだろう、結ぶぞその契約」

 かくしてここにラブラブバカップルが誕生したことに今はまだ誰も気付いてはいない。が、知るのはすぐである。


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