対応措置

いつでもどこでも。






 ギアスのかけらを集めるのは時に――いやほぼ全ての場合危険と対面すると言っても過言ではないはずだ。願いや希望はすぐにその名を欲望に変えてしまうのだ。
「だからといって、お前が動く必要はなかったはずだ!」
「でも危険だったのは間違いないよ」
 紛争地域において戦いに使用される武器が旧式であることは少なくない。特に使いふるされているようなモノの方がスザクには見慣れたものと合致することが多かった。ルルーシュ――L.L.が危ない時に騎士である自分が動くのは当然であるし、その時に使用可能な武器を動かすのも当然といえよう。それが今回たまたま打ち捨てられていたKMFだっただけだ。
「グラスゴーに形は似ていたね。あれが一番作りやすいのかなあ」
 操縦士を認識しないと動かないというタイプではなかったのも幸いした。エネルギー残量も僅かではあったがスザクにしてみれば数秒動ければそれで良かったので問題はないし、何よりも操縦桿で操ることが出来た時点でこちらの勝ちだ。想像に違わず、動くはずのないものが動き、それがとんでもない動きを見せるのだからその場は大パニック。スザクは大事な主を守り抜くことが出来たし、C.C.もギアスのかけらの抜き取りに成功。何も問題ない、はずだ。
「そういうことじゃない! お前、本当に自覚しろ!」
 キッとスザクを睨んだルルーシュが、ぐっとおもむろにスザクに小皿を突き出した。
「自覚って……うん美味しい」
「よし、それではこれでいいな。だいたい昔からお前は自分がどれだけ注目されているのか全くわかっていない! 女たちが騒いでいたぞ!」
 ルルーシュは手にしていた木のへらでぐるっとかき混ぜると鍋の火を消した。次に卵を取り出し、ボールに割り入れる。
「ほら、大根」
 大根を手にしておろしはじめたスザクは不機嫌な顔を露わにした。
「ルルーシュこそわかってないじゃないか。今日の標的だってルルーシュ見て舌なめずりしてたんだよ? 君、気付いてなかったよね」
「オレに? そんな馬鹿なことがあるか。じゃこはこれくらいか?」
「うん、葱も入れて」
「用意してある」
 すでに刻んであった細葱を大量に投下すると、ルルーシュは卵焼き器に油を引き始める。その後ろで炊飯器が炊きあがった合図を出していた。
「タイミングぴったりだな。オレなんかに誰が注目するんだ。さすがに今はラストエンペラールルーシュとか言われなくなってきているぞ」
「やっぱり気付いてない……君、ものすごーく美人だって自覚しようよそろそろ」
「誰が美人だ!」
「ゼロレクの時に表に出し過ぎたのは失敗だったなと僕も思ったよ。あんなに顔出しさせなきゃ良かった。あの後デートもままならなかったし」
「仕方ないだろう? あの展開は予測不可能だ」
「大根、これくらいでいいかな?」
「ああ、それくらいだろう。スザク、南蛮漬けを出してくれ」
 スザクは冷蔵庫から取り出した大皿に目を輝かせる。
「うわ、美味しそう。アジの南蛮漬け、好きなんだよね」
「うん、よくしみてる。ほら、どうだ?」
 ルルーシュの指でつままれたたまねぎをスザクは指ごと咥えた。
「ルルーシュも美味しいよ」
「この馬鹿が!」
 
「……私は味噌汁でもよそった方がいいか?」

 テーブルに両肘をつき手のひらで顎を支え、さっきから2人のやりとりを眺めていたC.C.が、ため息をつく。
 喧嘩するのか、いちゃつくのか、せめてどちらかにしてもらえると対応しやすくなって助かるのに、この2人はどうしても何をしていてもいちゃつくことを忘れないのだ。

 長年一緒にいてもこればかりは馴れることはない。


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