テーマ:朧月夜に花馨る

梅子黄

若と奥方。  ルルーシュが城門から出て行く時に振り返り、スザクに手を振った。朝から巫女のC.C.が先頭に子供たちがやってきて、大好きな「奥方さま」を誘いに来たのだ。  七十二候、梅子黄(うめのみきばむ)  青梅が黄色に完熟してくる頃だ。この時期、梅酒や梅干作りを皆で行う。うれしそうに子供たちに手を引かれ…
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満ちた月は、花には落ちず 13.

その後の奥方  ちらっと奥の方を眺めた後でスザクはため息をつきながら卓上の地図をもう一度確認していく。 「……アーニャ、この情報は」 「もうルルーシュに伝えてある」  何か言い足そうなスザクにアーニャはきっぱりと告げた。 「スザクがすぐに隠そうとするから先に見せろって言われたから見せた」…
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満ちた月は、花には落ちず 12.

反乱  届けられた文を前に、しゅんと沈み込んでいるのはロロとナナリーだ。先ほどニッポン国より「国が狙われ危険な状態であるため、訪問時期を遅らせて欲しい」との早文が届いたのだ。大好きな兄さんからの文に大喜びした分、その内容に落ち込み方も激しい。 「二人とも、落ち着いたらまた連絡をすると書かれているのだから。事が事だけ…
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満ちた月は、花には落ちず 11.

企み  政務の合間の休憩は必ず奥院に向かうことにしていた。賑やかな声が渡りの途中でも聞こえ、スザクはそこで気持ちを切り替える。 ───絶対にこれを失くしてはならない。 「ルルーシュ……うわ」  庭に面した広縁ではお茶会の真っ最中だ。その揃った顔ぶれにスザクの足が一歩退いたとしても致し方ないであろう。 …
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落ちた月は、花には落ちず 10.

守りたい。 「乗っ取りとは穏やかじゃないな、目当ては生糸かな?」 「当たり」  アーニャは手のひらに乗せたモルドレッドの頭をそっと撫でる。小さなねずみの口から出たのは、男の声だった。 『……一日廻ってみたが、こりゃいいな。揃って女子供は桑の世話だ』 『男手が多い。あれも使える』 …
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満ちた月は、花には落ちず 9.

はかりごと  渡りでジノはスザクを苦笑しながら待ちかまえる。 「お前、色惚けは程々にしておけよ」 「あんな可愛いルルーシュを前にして?」  あれだけの困難を乗り越えた二人だから多少のことは大目に見る───なんてことは当の昔の話である。一番の若贔屓であるはずの女官長セシルですら今では完…
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満ちた月は、花には落ちず 8.

結局ラブラブ 「はい、ルルーシュ足を出して」 「……自分でやる」 「だって力入らないよね?」  先にミレイたちが揃えておいたルルーシュの衣装は、スザクによって帯が取り替えられた。残念なことに、自分たちが選んだものよりもスザクが選んだものの方が奥方には合う、と分かっている為、女官たちもあえて「えー、換える…
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満ちた月は、花には落ちず 7.

奥方様の朝  話し声で目が覚めた。  密やかな声ではあったが、すでに覚醒の状態に近かったのだろう。声が煩かった訳ではなく、目を開くきっかけになっただけだ。体を起こしかけるとミレイとシャーリーが慌てた表情になるのを見て、ルルーシュは「大丈夫だから」と声をかけた。 「……大丈夫だ。もう目は覚めて…
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満ちた月は、花には落ちず 6.

守り守られ。 女性向け表現あります。 R18  ルルーシュの腰を持ち上げて最奥へと突き挿れると、薄い背中が仰け反っていく。  苦痛は当然だ。  今日はいつものようにゆっくりと解している時間も惜しく、早く結びあいたいと夜着の紐すらとかずに裾を割っただけで抱き合っている。苦痛から逃れる為に捻…
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満ちた月は、花には落ちず 5.

守るという事  湯から上がったルルーシュが部屋に戻れば、障子の桟にもたれ庭を眺めていたスザクが振り返って微笑んだ。 「月がね、綺麗に見える」  スザクの隣に座ってみると、成程随分と太くなってきた月が空にあった。座敷の向こうの広縁や柱で庭が切り取られて、こちらからは絵のように見える。まるで計算されたか…
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満ちた月は、花には落ちず 4.

好敵手(?)  柔らかく唇を重ねながら、そっとルルーシュの細い体を引き寄せこのまま寝所に引き込もうかなあと考えたスザクの視線の端に、小さな影が入り込む。その瞬間、スザクは即座に実行に移そうと動き出すが、小さい手はその前にルルーシュの着物の袂を握っていた。  アーニャの掌の上でちょんと立っているの…
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満ちた月は、花には落ちず 3.

望む場所  ジノから報告を聞いていたロイドは、ふむと腕を組んで地図を睨む。 「最近ちょっと多くないですか?」 「ここ半年増加傾向だよなあ。またどっかが企んでいるのか?」  こちらの大臣と隣国が企んだ婚姻はルルーシュを迎えたことにより消滅した。その後も悪足掻きを続けていたのだが、これまた皆の活躍に…
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満ちた月は、花には落ちず 2.

大人気だから。  スザクは一国の主である。だが城内に入ったとしても、家臣たちが居並ぶこともない。スザク本人が「そんなもの要らない」と先触れを拒否しているからだ。皆スザクとすれ違っても「おかえりなさいませ」と会釈をするのみである。 「若、おかえりなさいませ」 「うん、ただいま」  主に対してはこれだけであ…
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満ちた月は、花には落ちず 1.

満ちた月は、花には落ちず 「朧月夜に花馨る」 続編  ニッポン国の若スザクとルルーシュのお話。本編はサイトにて連載完結してます。完結は八年前(オフは六年前)ですが、未だに若とルルーシュを愛してくださる方が多く、とても嬉しいです。 そんな二人の続きのお話。    連なる山々、広が…
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この掌の柔らかな光 13. 完結

完結。 よーいどん、で皆で走れば、青い稲がさざなみのように揺れた。 スザクは稲穂に触れる。 「ぎっしり入ってる。今年も豊作だね」 「当たり前だ。この私が豊作だと言っただろう?」 ふふーんと自慢げなC.C.にスザクとルルーシュは顔を見合わせて笑う。そんなスザクの腰には、いつものように脇差が差し…
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この掌の柔らかな光 12.(朧月夜番外)

皆、どうも有り難う そして隣国の王は怒りで打ち震えている。突入の連絡があって数刻もしないうちに使者が送られてきたのだ。 「お預かりしているそちらの民の引き取りを願いたい」 そう書かれた文だけ携えてきた使者が目前でにっこりと笑っているのも無性に腹が立つ。 ここで引き取ると言えば完全に負けを認めること…
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この掌の柔らかな光 11.(朧月夜番外)

謀、開始。 「何ぃっ? 狼煙が上がっているだと?」 「はい! しかも色は紅にございます!」 どう攻めようかと謀っていれば早々に合図があったという。慌てて確認すれば細くたゆとうそれはまごう事なく我が国の合図。しかも、ほんのり紅色が混ざっている、となれば間違いなく。 「城内に潜入か!」 なかなかやるではないかとにんま…
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この掌の柔らかな光 10.(朧月夜番外)

絶対に勝つ。 間者は走る。 いい加減我慢の限界であった。 せっかく忍び込んできたものの、さっぱり動きがみえない。国で言われてきたのはこの国の忍の能力は非常に高く、僅かな動きも見逃さないであろう、という事だった。 そんなに凄いのかと意気込んでやってきたのに、のどかな風景が広がるこの国では敵襲の備…
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この掌の柔らかな光 9.(朧月夜番外)

オフ再録。 「朧月夜」のオフ本の再録部分になります。完売から一年以上経ちまして、UP希望のお声もちらほら頂いておりました。このたび、UPさせていただきました。 オフ収録に更に手を加えてあります(読み返すと、付け加えてしまうんですよね。この調子なので、センセがすごいことになってます……) この掌の柔らかな光 8.(…
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四葩の花が紅に(朧月夜番外)

梅雨の時期は体調崩しやすいですから。 少しですが女性向き表現あります。(R18) 若の伴侶ルルーシュ様がお風邪を召された、という話はすぐに民達の間に広まった。 梅雨のこの季節は雨が降れば肌寒く、天気になれば夏かと思うような日差しが降り注ぐ。作物には大切な季節であったが、体調を崩し…
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陽だまりの君、花馨る君(後半)

新しい年も相変わらずな2人です。 今年の新年の宴はいつもと違い来賓来客の数が桁違いに多い。スザクはその対応に追われ奥院に足を向ける時間もない。朝から振り回され、それでも必ず夜にはルルーシュの元に戻ってくる。倒れるように寝具に仰向けになったスザクの顔は疲労の色が濃い。スザクのクセのある前髪をそっと払うルル…
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陽だまりの君 花馨る君 (前編)

新年を迎える若の国のお話。 「まだ作るのか?」 座敷に広げられたのは反物の数々。その中でこの国の主であるスザク唯一の寵后で伴侶であるルルーシュは困った顔で立っている。 「あれだけあるのに」 「足りませんよ」 シャーリーは口に待ち針をくわえ、布をルルーシュの体に当てては外すという動作を繰り返し…
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この掌の柔らかな光 8.(朧月夜番外)

やはりバレてます。 「ということで、バレました」 「馬鹿だろ、ジノ」 スザクを始め、ルーベン、セシル、C.C.にも冷たい視線を送られてジノは大きい体を小さくさせる。その旦那の後ろではカレンが膨れっ面をしていた。 「まあねえ、ジノくんは昔っからウソつくのヘタですからねえ」 ロイドがやれやれと首を振る。…
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この掌の柔らかな光 7.(朧月夜番外)

皆、この国が好きなんです。 「相手見てきた。自信満々」 「でもさっさと片付けるとこいつは言ってはいるがな」 話を振られたスザクは熱心に見ていた地図から顔をあげる。真剣なアーニャとC.C.の視線を受けてスザクは姿勢を正して二人に向き合った。 相手はこの国のことを知り尽くした元大臣。一筋縄ではいかない…
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この掌の柔らかな光 6.(朧月夜番外)

若とルルーシュだけではないので、この国の人達は目のやり場に困るでしょうね。 「カレン、本当によく食べるね……」 せっせと箸を動かすカレンにスザクが苦笑する。悪阻の間は食べられなかったとはいえ凄い食欲だ。 「赤ちゃんの分まで食べなくちゃ!」 「食わなくてもいい」 隣で食べているC.C.がバカか…
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この掌の柔らかな光 5.(朧月夜番外)

この辺から出産記じゃなくなってきてますね(笑) 「ジノ、カレンが来てるよ?」 「早速ここかよ……」 悪阻が終った途端に活動的になるのはいいことなのだろうが、まずここ、というのがカレンらしい。カレンにしてみればルルーシュは大事な弟。ルルーシュが未だに若を縋るような目で見ると言っては悲しがっているが、カレン自身…
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この掌の柔らかな光 4.(朧月夜番外)

あたたかな国です。 城門に近付けば、何も言わずとも門兵がカレンの顔を見てにこやかに門を開けてくれる。この平和な空気は元々あったものではあったが、最近はさらに穏やかだ。きっと国主の心が穏やかになっているせいだろう。 ルルーシュを捜していた間の若は皆の前では無理して笑っている事が誰にでもわかる状態…
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この掌の柔らかな光 3.

少しは我慢しようよ、ジノ。 それはある朝突然やってきた。 「……気持ち悪くない……あれ?」 いつもなら起床と同時に訪れる吐き気がない。 「え? 嘘! 悪阻がない? 無い! 終ったの?」 いつかは終るからと皆に慰められてきたカレンだったが、本人にしてみれば永久に続くのではないかとさ…
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この掌の柔らかな光 2.(朧月夜番外)

けっきょく、いちゃいちゃ。 ルルーシュは出し惜しみしよう。姿を見せるのは特別な時だけでいい。なんて考えで皆がいたのだがその前に巫女によって表に出されてしまった為、箔が付くどころか民達とはすっかり顔馴染みである。今日も村の端にある集会所で笑い合っているルルーシュの姿があった。 全員が忙しそうに手を動かし…
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この掌の柔らかな光 1.(朧月夜番外)

ヴァインベルグの奥方の妊娠日記・・・だったはず(笑) 目の前のカレンはひたすら胡瓜を食べている。ぽりぽりぽり。小さく切った胡瓜が目の前のお皿に乗っているのだが、それをカレンは箸で摘んではぽりぽりぽりぽり。 「おい、カレン」 「なに?」 ぽりぽりぽり。 「だって胡瓜しか食べたくないのよ! ───あ…
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