ずっと君をさがしてた 67.

ヘタレはどこまでもヘタレ。








あまりに衝撃的な現場を目撃したシャーリーとアーニャだ。二人は『生徒会主催・魔法少女アーニャとのランチ権争奪戦、魔法かけられたいの、だーれ?』に向けて、衣装新調の買い物へ出かけるところだったのだが、面白そうな現場を見てしまい、揃って顔を見合わせる。
「……見た? アーニャちゃん」
「つける?」
アーニャが指さすところはバス停で、折りよくバスが到着しようとしている。車の発進方向と同じだ。当然乗り込み、何とか車を追い続ける。角を曲がってしまった車にがっかりしたが、バスからちらりと見れば歩道の脇に停車している様子が見て取れた為、慌てて次で降りた。別段、見回さなくても背の高い男はいい目印であり、ルルーシュと並んで歩けば双方注目の的となっている。
その二人をシャーリーとアーニャは追いかける。当然アーニャは携帯を構えたままだ。
「ルルルルル、ルルに好きって言ってたよね?」
「言ってた」
「いいのかなあ……来ちゃったけど」
「買い物のついでだから」
相変わらず抑揚のない話し方でシャーリーに返事をするが、次にアーニャにしては珍しく笑顔でシャーリーを見上げる。
「スザクをいじめるネタが出来て嬉しい」
「……あー、そっか……」

ルルーシュが星刻と訪れたのは、インテリア全般を扱う店だ。
実のところ、昨日も訪れているため、店員が即座に飛んできた。何せ、買い物量がハンパない。
「昨日のシーツの肌触りは良かった。色違いで揃えたいが……」
「そ、そうでございますね! 昨日お渡ししたのはオフホワイトでしたので、こちらにアイボリーもございます」
店の者は「使用したのか!」と妄想でテンションが上がる。その中を、とにかく今日はさっさと片付けてスーパーに買い物に行きたいと考えているルルーシュは、てきぱきとすませていく。
「ルルーシュ、私にも相談を、」
「お前が決められるものなら決めてみろ」
キッと振り返るルルーシュの美形さに店員たちはきゃあと内心喜んでいる。昨日の夕方訪れたこの二人は、あれもこれもとどう見ても新居の用意をしているようにしか見えず、しかも完全にこの美形に尻を敷かれている状態。その上、制服姿で現れたために本日は「が、がが、学生っ!?」となっている。
「おい、星刻。昨日オレが採寸した紙は持ってきたんだろうな」
「勿論だ。ここに…………あれ? ええと少し待て。いや確かにここに入れたんだ」
イラっとしながら眉をひそめるルルーシュの姿は超絶美しく、店内全ての人から注目を浴びた。その中にはシャーリーとアーニャも含まれる。星刻は何度もポケットを探っていたが、突然「あっ!」と叫ぶと財布を取り出して、折り畳まれた紙をルルーシュに見せた。
「ほら、あったぞ!」
その得意げな表情には目もくれず、ルルーシュは星刻の指先から紙をひったくる。
「このサイズでカーテンをオーダーしたい」
「で、ではこちらへ」
「まて、ルルーシュ!」
別室へと移動した二人の姿は新婚にしか見えていないであろう店内で、シャーリーとアーニャは顔を見合わせている。
「あれ……どうなんだろう?」
「…………ネタになる」
「うん、それはそうだよね」
即座に携帯からスザクへと情報が流されるのをシャーリーは黙って眺めている。
───なんか騒動起きそうだから、その前に帰ろ。

山のような買い物を済ませて、星刻の車に乗り込んだのはすでにもう夜の始まる時間であった。その時間がさらにルルーシュの苛つきをつのらせる。夕方の特売セールは全て終わってしまったではないか!
「今から家に送れ!」
「しかし、この買い物をどうするのだ!」
「そんなもの、お前が片付けろ! 昨日もあらかたオレが片付けてやっただろう!?」

昨日は今日の三倍以上もの買い物をして、それをひたすらルルーシュは星刻のマンションで片付けていたのだ。おかげで夕食作りどころか、スザクの弁当も作ることも出来ず、その上一人で帰宅するのもおっくうなほど疲れはてた為に、星刻に送らせ、学校への送迎もさせたという訳だ。

本当なら、今日はスザクの家で夕食を作ってやる日だったというのに!

スザクだけが楽しみにしている訳ではなく、ルルーシュだってその日はとても楽しい。大好きな相手と一緒に過ごす時間が楽しくない訳はないのだ。だから、こいつの騒ぎもわからないでもない。
でも!
「いいか、星刻! お前がまずすることは、交際の申し込みと告白だ! さっさとしてこい!」
「何を言う! 何もなくプロポーズなどしても甲斐性のない男だと思われるだろう!」
「甲斐性もプロポーズもあるか! リーファはまだ13なんだぞっ!」

そもそもの始まりは、昨日家に突然星刻が押し掛けてきたことから始まる。星刻は母マリアンヌの部下である。外見はいいし、頭もいい。だが、母の言うところ「彼ねえ、ちょーーーーっと抜けてるのよね」というところがあり、それが今回全面に押し出されてきているのだ。

星刻、取引先のお嬢さんに恋慕中。ナナリーと同じ学校へ通う、御年13歳の少女である。

暴走する恋心はなぜかおかしな方向にむかっており、昨日もそれで上司に相談しにきたのだった。マリアンヌに相談にするのがそもそもの間違いだと思うのだが、仕方ない。その結果、告白もしていないのに「新婚の新居」を整え中だ。気持ちをため込んでいるために仕事の方に支障をきたすようになり、そのガス抜きの為にマリアンヌが指示したことであるのだが、あまりのセンスの無さにルルーシュが引っ張り出されているのである。

「好きだとリーファに言ってこい!」

24歳から告白されて、13歳がどう思うのかは───まあやってみなくてはわからない。

言い合う二人が乗る車の前を黒い影が横切った。




*****
ウチだとどうしても星刻はこうなるなー(苦笑)








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