おねつ、さがった!(くるるぎクリニック番外)

風邪引きナナリー。










ナナリーは熱がある。

朝、うさぎさんの縫いぐるみを抱えて起きていったのに、ナナリーの顔を見たスザク先生にすぐにお布団の中に戻されてしまった。
「寝てなさい」

今日は日曜日で、クリニックはお休みだ。いつもの日曜日なら、ちょっとだけゆっくり寝て、その後にスザク先生とお兄ちゃんと3人で、お買い物にお出かけしたりするのに、ナナリーはお布団の中にいなくてはならない。
「せんせい、ナナリーあそびたい」
「だーめ。熱が下がらないと駄目」
今日はお休みだからアーニャは来ていない。それで、スザクが体温計を取り出したのだが、これがナナリーには面白くてたまらないのだ。
だって、数字が出てる!
それにこれだと、熱が下がったことが一目瞭然。
「せんせい! おねつさがった!」

ナナリーの熱は相当高いのだが、体がだるいということも無く、元気だ。ルルーシュが買ってきたスポーツドリンクをごくごくと飲み、ジノが見舞いにと持ってきたアイスを食べてごきげんな顔をしている。
「インフルエンザじゃなかったんだろ?」
「検査してみたんだけど、反応無かった」
近くのコンビニに買い物に来ていたルルーシュと遭遇し、「ナナリーが熱を出して寝ている」と聞いたジノが、こうして見舞いに訪れたのだ。
「元気そうだな」
「……元気すぎて困っているんだよ」
自分のベッドで眠っているのは嫌だと言い張る為、毛布でくるんでから、リビングのソファに寝かせてある。そして10分おきに、熱を測っている。
「せんせい! スザクせんせい! おねつさがった!」
「……いくつ?」
ナナリーはデジタル表示の数字を読み上げる。
「ええとね、3、8、7!」
38・7度。十分に高熱である。
「寝てなさい」
「だって、朝は3、9、0だったもん! さがったもん! あそんでいい?」
「駄目」
むすううと膨れた顔でもぞもぞしているナナリーだが、また数分たつと体温計を取り出す。
「……おい、スザク。あれずっとやっているのか?」
「そうだよ……あれだけ高いと大人ならフラフラなんだけどね、子供は元気だよ」
これでぐったりしているようなら、本当に大変なのだが元気すぎるのも困ったものなのだ。だからといって、遊ばせる訳にもいかない。ナナリーは元気なつもりでも、高熱で体力は消耗しているのだ。
結局、夕方までナナリーとスザクとのやりとりは続く。

「……こうして、お姫様と王子様はいつまでも幸せにくらしました。おしまい。…………ナナリー?」
ソファの脇に座り込んでナナリーに本を読んでいたルルーシュが妹をのぞき込むと、ナナリーはすーすーと寝息を立てて眠っている。
「先生、ナナリー寝ちゃった」
「どれ? ああ、本当だ。熱も下がってきたね」
汗だくになっているナナリーのパジャマを、ルルーシュと2人がかりで着替えさせてもナナリーは起きることもなく、眠ったままだ。そのままベッドへ寝かせても、隣で寝ているクマにすり寄って眠っている。
「……やっと寝たね」
「うん、本当だね」
スザクとルルーシュはやれやれという顔で互いを見てから、くすくすと笑った。
「診察でお母さんの方が疲れた顔をしているのが、これでよーく分かったよ」


そして、今日のナナリーも同じように熱を出している。原因は風邪である。風邪を引いた理由は、夜更かしをして友達から借りたという映画を何本も見ていたからだ。暖かくしてなくちゃ駄目だという兄のアドバイスに、はーいと返事だけして、湯上がりそのままで座り込んでいたのだから、風邪も引く。
「先生、起きててもいい?」
「駄目だよ。寝てなさい」
「だって体もだるくないし……」
「寝てなさい」
10年前と全く変わらない会話に、ルルーシュは肩を揺らしている。
「ナナリー、起きていたいなら、解熱剤の注射打ってあげようか?」
「きゃああ、いいでーす。寝てまーす」
相変わらず、ちくんは苦手。






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